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M-51Parkaに関する2,3の事柄

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ジャングルファティーグの見分け方 レプリカを高値で掴まないために(入門編)

いわゆるフリマアプリやネットオークションの隆盛は、軍ものを入手するのに非常に便利になった反面、写真でしか現物を確認できなかったり、説明が間違って(あるいは故意に?)いたり、リスクが伴うという一面もあります。
せいぜい数千円の被害ということならいざ知らず、レプリカを実物と称して(あるいははっきり書かずに誤認させ)数万円で売り抜けるという事例もまれにみられます。
今回は、そういった被害に逢われないように基本的なチェック項目のいくつかを入門編として記述してみたいと思います。なお、今回の記述はあくまで一例であり全ての事例に当てはまるものではないことは、あらかじめ申し添えておきたいと思います。

ケース1

ジャングルファティーグ1stの場合
ジャングルファティーグ1stはその独特のポケットデザインなどからビンテージファッションアイテムとしても人気が高く、タマかずの少なさも相まって値段が高騰しがちです。1stから4thまでの特徴が頭に入っている古着おたくな人はあまり間違えないとは思いますが、今回は入門編ということで再度確認したいと思います。

このケースでは、ラベルが磨滅して読み取れない状況でした。
<外観の特徴をチェックしよう>
まず、正面の写真からわかることを読み取ってみましょう。
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写真で見る限り全体的雰囲気はオッケーです。ポケットの形に違和感もありますが写真写りの影響かもしれません。
ボタンの数を数えてみます。1stの場合6個です。この写真ではひとつ足りませんが、ボタンホールを確認できませんので6番目が取れてしまってるだけの可能性もあります。この時点で判断は保留です。


背面の写真です。
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背中のバックヨークに注目です。この時代にバックヨークはまだ早すぎます。
また、袖の作りが4thの最終型になっています。
この段階でほぼレプリカと断定して差し支えないと思います。


ケース2

<インストラクション/コントラクトラベルをチェックしよう>
次のケースは、ジャングルファティーグとRDFジャケット(cort,hot weather )の中間移行モデルといった内容です。実物であれば、試行品の非常にレアなモデルといえそうです。
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ラベルの拡大写真をみてみます。
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生地はノンリップであることが確認できます。ボールペンのチェックもいかにもサープラス品であることを物語ってます。品名もホットウエザーコートでおかしくはないです。会計年度も70年、いかにもありえそうですね。しかしコントラクトがDLAであることに留意してください。1970年にDLA(ディフェンス ロジステック エージェンシー)はまだ存在しません。
ということで残念ながらこちらもレプリカ(というか架空モデル)と言って差し支えないと思います。

それぞれのお品物、3万円台での出品でした。くれぐれもご留意ください。(合掌)

追記:うわあ、この出品者、レプリカタイガーストライプADSを
69,980円で売り逃げ、てゆーか詐欺?刑事事件?
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by poemaquince | 2019-06-07 22:43 | 入門編 | Comments(5)

ジャングルファティーグパンツの変遷(その2)4thのウエスト位置が大きく異なるよの巻

 前回「ジャングルファティーグの変遷 トラウザーズの場合」のつづきです。
 一般に「ジャングルファティーグパンツ」と呼ばれる「トロピカルコンバットトラウザーズ」の変遷について、とりわけ今回は、4th世代のトラウザーズのシルエットがそれ以前のバージョンと比べて大きく異なっている点を中心に写真にて見比べていきたいと思います。

1st(左)と4th(右)の全景
同じSR(Small Reguler)サイズでの比較
1stのウエスト位置が高いことに注意
3rd世代まではウエスト位置が比較的高いシルエットを継承している。
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同じく1stと4thの側面全景
カーゴポケットの位置にも注目
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1stと4thのインシーム(股下)の確認
インシームの規格寸法はほぼ一緒であることがわかる。
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1stと4thのインシーム(股下)の拡大
1stのカーゴポケット用ストラップを通すためのループに留意
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1stと4thのフロントボタン/フロントファスナ
1stの股上が深いことに留意
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1stと2ndのフロントボタン廻り
2ndはLargeのため股上もさらに深め
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3rdと4thのフロントボタン/フロントファスナ
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この項不定期に?つづく

by poemaquince | 2019-04-23 00:05 | 入門編 | Comments(0)

ジャングルファティーグの変遷 トラウザーズの場合(入門編)

 そもそもM-51PARKA関係を専門(笑)としてやってた当ブログですが、「ドイツ軍アノラック」を始め、「ERDL」とか「M-1ヘルメット」とか「タイガーストライプ」とか、「国家主義台頭への憤懣」とか、M-51パーカ専門ブログから離れて随分遠くへ来てしまいました。まあ、そんな中で冬が終わり暑い季節が近づくと「ジャングルファティーグ」記事へのアクセスが増えたりします。もうベオガム記事稿なんかよりぜんぜんニーズがあるみたいです。
 そんなわけで以前の記事「USジャングルファティーグの変遷」https://parkashell.exblog.jp/20139077/の続編としてジャングルファティーグパンツについても、入門編としてざっくり書いてみたいと思います。(いや、前回のジャングルファティーグの記事、調べたら2014年8月って、もう5年も経ってたりしてます(笑)。)

 というわけで、一般に「ジャングルファティーグパンツ」と呼ばれる「トロピカルコンバットトラウザーズ」の変遷について、写真にて見ていきたいと思います。

 1stの側面全景
 上着と同様ポケットフラップに露出するボタン、ウエスト調整用のタブに注意
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 2ndの側面全景
 上着と同様に、ポケットフラップが隠しボタン
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 3rdの側面全景、ウエスト調整用タブが、スライドテープ化していることに留意、ひざのプリーツが追加される。
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 4thの属面全景
 生地がリップストップポプリン化、シルエットが大幅に改訂されている。
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ということで、もう少し細部を確認していきます。
2nd(上段)と1st(下段)の比較
スラッシュポケット(縦ポケット)の形状の違い
お尻のポケットのフラップ(蓋)の形状の違い
ウエストタブの形状の違い
なお、レプリカ等でウエストタブのボタンを2個配置しているものもみられるが、オリジナルは片側1個ずつであることに留意
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2nd(左)と3rd(右)の比較
ウエストタブの変化に留意
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2nd(左)と3rd(右)の比較
ひざのプリーツの有無に留意
3rdにひざプリーツが導入された。
また、3rdのシームがインターロック化されている。
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3rd(左)と4th(右)の比較
3rdのお尻ポケット上のシームに留意
このシーム(縫い目)は3rd独特のもので他の世代には通常は見られない(例外あり)。
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3rdのバックポケット上部のシームのクローズアップ
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3rd(上段)と4th(下段)のクローズアップ
ポプリン生地とリップストップポプリン
インターロックシームとダブルステッチ(巻縫)を示す。
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この項つづく



by poemaquince | 2019-04-21 15:15 | 入門編 | Comments(0)

「ガスフラップ」についての前回記事は訂正(保留)します。

 いやあ、すみません。前回記事の「ガスフラップ」についての考察は訂正させていただきます。記事として発表するにはウラ取りの調査が甘かったです。その後、MIL-C-43199とかの一次資料が確認できたわけではないのですが、同時代のガーメントや文献などから「ガスフラップ」という呼称をあえて否定することはできないのではないかという考えに到りました。今後の戒めとして、川村がなぜ誤ったのか、一連の考察を検証してみたいと思います。

 第一次大戦以降のジュネーブ協定により、化学兵器は使用することのできない過去の兵器であると川村は思っておりました。ところが、ジュネーブ協定は保有に関しては規制をしていないことがわかりました。つまり、先制使用はできなくても、保有している化学兵器は比例原則で使用はできるようなのです。また、60年代になっても米軍はインプレグネーションコートを装備しています。実は川村はこのコートを古着屋さんで見かけたとき、その名前から(死体)防腐処理用の作業コートくらいに思っていたわけでした。ところが先日ネットでそのコートのインストラクションラベルを確認することができ、そのコートは「びらん剤防護用」であることが明らかになった次第です。
 コートのインストには次の通り書いてあります。
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 びらん剤防護用コート
1)治療に際して、このコートは化学兵器防護用としてデザインされている。
2)寒冷湿潤気候用衣料(雨合羽)に重ねて次のように着用のこと
 a)裾のコードを両下腿に結ぶこと
b)腰のコードを密着させること

 ということで、このコートはいちおう化学兵器の治療用に医療スタッフが着用するというような位置づけであったことがわかります。
 とするならば、60年代初頭にびらん剤の使用を想定して、びらん剤からのダメージに関して、完全に防ぐことはできなくても、ファティーグの「ガスフラップ」が「ある程度の重症化を予防する次善の策」として有効と考えられていたのかもしれません。
 また、それらの考え方は前回の大戦中のシャツ類も同様なものだったとも言えなくはありません。
 というわけで、前回の「ガスフラップ」と呼ぶの止めませんか?という問い立てに関してはいったん保留させていただければと思います。
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インプレグネーションコートの写真 引用参照元
びらん剤の特性、化学兵器規制の変遷など

by poemaquince | 2019-04-06 09:18 | 番外編 | Comments(0)

そろそろ「ガスフラップ」と呼ぶの止めませんか? ←いや、記事を訂正します。

 初期ジャングルファティーグなどの「前合わせに付くフラップ」については「ガスフラップ」という呼びかたが一般化したりしています。また、もっともらしくそのフラップが「前合わせからのガスの侵入を防ぐため」などと解説されたりもしています。そんな言説には多くの人が「そんなわけないよね」と違和感を感じていたりしているのではないでしょうか。
 そもそも常識的に考えてコットンポプリンのざっくりした(気密性の低い)シャツにケミカルプロテクト機能などないわけですし… 
 というわけで、今回はジャングルファティーグの初期型(1st,2nd)に見られるような前合わせのフラップについて考えてみましょう。

 たとえば、ジャングルファティーグの2ndの場合
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 首回りのクローズアップ
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 インストラクションラベルを読んでみると
「3 インナーフラップがまっすぐ所定の位置にあるか確認のうえ、フロントボタンを閉じること」との記載があります。
 ここでは、「インナーフラップ」と表記されていることがわかります。
 そんなところから、とりあえず現時点では「インナーフラップ」と呼んでおくのが妥当な気がします。
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 時代を少し遡ってみると、いくつかのアイテムに似たような仕様が見られます。
 USMCヘリンボン生地ジャケットの場合
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 US陸軍ウールシャツの場合
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 微妙にジャングルファティーグの形状とは異なりますが、いずれも「開襟」に関して?の仕様と思われます。何かを「隠す」目的なのでしょうか?19世紀~20世紀初頭の服飾史との関連も要チェックかもしれません。例えばアンダーシャツ、あるいは素肌を見せないためとか?
 あるいは、もっと単純に虫よけ(侵入防止)とか、WR(風よけ)とか?
 
 というわけで、「いやあ実はこんな意味があってねっ」とご存知の方いらっしゃりましたらぜひご教示いただけたらと存じます。

追記:同様の疑問を呈している方もおりました!!

追記の2(3/15/2019)
↓米国の専門書籍にも gas flap の記述がありました。
やっぱりガスフラップと呼ぶのでしょうか?謎です。

Uniforms of the US Army Ground Forces 1939-1945, Volume 3, Shirts

Charles Lemons 2015



by poemaquince | 2019-02-26 20:29 | 入門編 | Comments(0)

ベオギュン(Beo gấm)の泥濘(その3) 結局、TAKASHIMAYA MIL-C-5390F(WEP)のパターンはKIFFEやCISO(28June1967)パターンと一緒なのか?の巻

 突然始まったベオギュン(ベオガム)シリーズその3は、前回紹介した"KIFFE"ブランドの日本製ベオガム2ポケットジャケットやCISO見本(June1967)の端切れパターンと、高島屋サマーフライトカバーオールのパターンは共通しているのか?していないのか?という問題についてです。って言われてもそんなことを気にしている趣味の人ってたぶん多く見積もってもせいぜい日本で30人くらいじゃないか?とも思うのですが(笑)。
 まあ、そんなわけ(どんな?)で典型的なパターン部分を並べて比較してみました。もちろん、CISO見本の端切れは手元には無い(笑)し、高島屋のカバーオールも当然手元にないので、そこはそれぞれUSミリタリアフォーラムのWeb写真と、杉並ワークスさんの「虎模様戦闘服」の一部を引用させていただきました。謝意を表します。

三者を並べてみました。
左:TAKASHIMAYAのサマーフライトカバーオール
中:CISO見本(june1967)
右:KIFFEのミドルウェイト生地
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比較するときわかりやすいように、いくつかの柄の指標にマーキングしてみました。
結論としては、「同じパターン」としてよいと思います。
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参考:TAKASHIMAYAカバーオールのコントラクトタグ
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写真引用元はおなじみUSミリタリアフォーラム
あるいは

このページには、同じパターンの2ポケメタルボタンタイプのジャケットも!

国内ウェブサイトサイトの有名どころとして
川村は、こちらのサイトにて初めて高島屋コントラクトのサマーカバーオールを知りました!!

注:表題の「Beo gấm」についてはブラウザによって?表記が誤っているかもしれません。

by poemaquince | 2018-11-18 10:51 | tiger stripe | Comments(3)

ベオガムの泥濘(その2) 三つの《KIFFE》MADE IN JAPANの巻

 突然始まったベオガム(BeoGam)シリーズその2は、60年代頃に"KIFFE"ブランドにて生産・輸出された日本製ベオガム(あるいはダックハンター)2ポケットジャケットについてです。
それでは現時点で確認できた"KIFFE"の3っつのパターンを写真で見ていきましょう。


右:いわゆる「ダックハンター」パターン
左:どちらかといえば「ベオガム」っぽい感じ
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まずは「ダックハンター」(右)のタグ
KIFFEブランドは、米国のブランドのようなのですが、一連のタグには「made in Japan」の表示があります(いやコレはほつれててみえないけど)。
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「ダックハンター」のフロントボタン 陸自と同じ仕様のボタンに注意 比較に陸自リペア用ボタンを置いてみました。
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同じく、胸ポケットのボタン フロントボタンに比べて一廻り小さいことに留意
輸出用2ポケカモジャケットは、日本製、香港製両者とも胸ポケットのボタンが一廻り小さい仕様になっている。
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どちらかといえば「ベオガム」っぽい感じ(左)のタグ
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「ベオガム(っぽい)」のフロントボタン なんと、タイガーストライプと同じダークグリーンのラウンドバックタイプ(ただし薄いやつ) 比較としてタイガーストライプボタンhttps://parkashell.exblog.jp/238320847/ を並べてみました。
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KIFFEのベオガムタイプ二種
右は紛れもなく「ベオガム」
左は、既出の「ベオガム(っぽい)」もの
いやまあどっちも「ベオガム」だけど。
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「ベオガム」(右)のKIFFEタグ
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もちろん襟の裏に補強ステッチはない。フード用のボタンループに注意
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フロントボタンは陸自型(JSDFtype Button)
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背面全景 なんとこのパターン「CISO」の見本用に提出された1967年6月の記載のあるミドルウェイトファブリックとほぼ同じパターンであった。
追記:このパターン、有名な「高島屋サマーフライトカバーオール」のパターンと同じ説、異なる説、両方あるけどどっちなのだろう?
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詳細はおなじみUSミリタリアフォーラム参照
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by poemaquince | 2018-11-10 08:00 | tiger stripe | Comments(0)

ベオガムの泥濘(その1) 香港 Beo Gam の奥深き世界

というわけで、突然始まりましたベオガム(Beo gam/ベオ・ギュン)シリーズ
記念すべき第1回は、Hong Kong製ベオガムについてです。
それでは写真で見ていきましょう。

まずはSTORM-PRUFの2種類のパターン
右がつなぎタイプ、左は典型的な2ポケタイプ
色調は似ているが、パターンが異なることに留意
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ラベルの詳細
つなぎ(カバーオール)のもの
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ラベルの詳細
2ポケタイプの場合
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カバーオールの襟元
ブループラスチックボタンとVKKファスナに留意
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タグなし2ポケタイプ上着(右側)との比較
タグラベル等は失われているが、ボタンおよび生地から香港製と推測される。
右:カバーオール型のベオガムパターンと同じであることに留意
左:STORM-PRUFのラベル付きのもの
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STORM-PRUFについているグレーボタン
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同じく右側の2ポケタイプ上着のフロントボタン
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別の事例、2種類
60~70年代?にかけて、米国への輸出用ハンティングジャケットとして大量生産されたものと推測される。
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右の2ポケ上着のラベル
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同 ボタン
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左の2ポケ上着のラベル
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同 ボタン
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上記4パターンを並べてみたもの
左から
STORM-PRUF
ラベルなし(STORM-PRUF?)
CROWN HUNTING CLOTHING
HUNTMASTER
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by poemaquince | 2018-11-07 20:00 | tiger stripe | Comments(0)

海兵隊の息子がガバナーとなった。日本の国民は沖縄の意思を真摯に受け止めるときが来たと思う件(番外編)

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 米国海兵隊の運用をご承知の皆さんには改めて説明するまでもないこととは思いますが、ご存知ない方のために申し上げますと、沖縄に駐留する海兵隊基地は、「日本の防衛」にはあまり関係はありません。
 海兵隊は、緊急即応軍として海外展開する軍事力であり、その行動は米国の外交上の利益に資する場合だけです。もちろん、一般的には軍事力のプレゼンスが何らかの「抑止力」として機能することは事実ですが、それが海兵隊である必要はありません。海兵隊が沖縄に駐留する本質的理由は海兵隊にとってコストが「リーズナブル」であるということであり、戦略的意義で(基地が使えたら便利だけど)かならず必要という類のものではないのです。
 こういったことを書くと、ミリマニア方面の方などから「沖縄の地理的条件がー」とか「オスプレイ航続距離はー」とか反論があるかもしれませんがその指摘は全く当たりません。軍事的プレゼンスはほかの兵力で間に合っているからです。
 アジア太平洋地域には日本以外にも米国の同盟国が多数あります。もし戦略的にMEU(Marine Expeditionary Unit)展開のための地理要件がどうしても必須であるならば、海兵隊基地は他の場所、他の同盟国へ配置したほうが合理的(たとえば韓国とかフィリピン、極論すればタイランドとか台湾とか)ということになりますが、実際にはそんなところに基地はない(リエゾン機能で要員配置がある場合はあるけど)。沖縄配備が必須という地理的要件は後付けの理屈に過ぎないからです。実際には沖縄に米軍基地が集積した理由は歴史的・政治的な要因からにほかなりません。それは、1972年まで沖縄が米国の「間接」統治下にあったことが最大の理由です。1945年以降、占領軍として広大な軍用地が確保でき、また委任統治時代には基地の設置にあたっていわゆる主権国家とのネゴシエーションが不要であったことなどが大きく影響しているのでしょう。実際、本土(日本の)の「米軍基地設置」が理解されないことにより沖縄に基地が移転したこともありました(これまた元ベストセラーアレ作家がデマ流しているそうですが(※1))。また、復帰後は「経済大国」となった日本からさまざまな「思いやり」のお金が沖縄の米軍基地に流されてきました。海兵隊としてもかなりの部分「自前」で調達しなければならない他の国で基地を運用するより、とても「リーズナブル」で「カンファタブル」であったわけです。

 さて、そういった前提で今回の選挙結果を考えれば、普天間ー辺野古の海兵隊基地問題に関して日本政府が「ゼロ回答」を推し進めようとするのは「成熟した民主主義国家」の政府の態度としては全くふさわしくありません。そもそも海兵隊第三機動展開部隊の主力はすで2020年ころまでに沖縄からグアムへ移転予定であり、それに関して日本政府は6千億円の「思いやり経費」もほとんど約2割が支出済です。
 多くの専門家が指摘する(※2)とおり、軍事的合理性の観点から抑止力としての在沖空軍・海軍基地は当面は継続がやむを得ないとしても、沖縄の負担軽減のひとつの落としどころとして海兵隊基地は廃止移転ということが道義的・歴史的には妥当なのではないでしょうか。
 ヤマトに住むわれわれは、すでに充分すぎる苦難を味わってきた琉球のアイデンティティーに無関心のあまり配慮を欠いてきました(それはどこか原子力発電所を地方の過疎地に押し付けてきた構造とも通底する気もします)。しかし、国際環境と社会構造の激変するなかで、そうした態度で今までのように事態を先延ばしにすることができない時代になっているのではないかと、本当に強く感じている今日このごろであるのです。何処からか「ボーッと生きてんじゃねーよ!」というお叱りの声が聞こえてくるのです。
本文注
(※1)
(※2)
一例として、門谷数重氏「隅田金属日誌」


1965年宜野座村(c)嬉野京子氏撮影 写真の状況は下記参照
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( 池田香代子氏ブログより引用)
 4月20日、宜野座村に入りました。小学校で休憩に入ったとたん、「子どもがひき殺された!」。なんと行進団の目の前で、小さな女の子が米軍のトラックにひき殺されたのです。手に通園用のバッグを持ったまま。死んだ女の子の側に突っ立っているだけのアメリカ兵。しかし驚いたのは、駆けつけた日本の警察でした。米兵を逮捕するでもなく、軍用車がスムーズに走れるように交通整理をはじめたのです。
 これを目の前にして何もしないわけにはいきません。「撮らせてほしい」と懇願しました。「生きて帰れないよ」と言われましたが、引きさがれませんでした。「わかった、見つからないようにぼくの肩越しに撮ってくれ」、一人の男性が肩を貸してくれ、たった一度押したシャッターがこの写真です。


参考:いわゆる「ガイドライン」(防衛省HP)
NTUY情報だけでなく一次資料(笑)もちゃんと読んでみよう。
ただし、その行間も読んでね。
日米防衛協力のための指針(2015年4月)


事実関係誤認のため一部修正(2018oct08


by poemaquince | 2018-10-08 15:18 | 番外編 | Comments(0)

タイガーストライプの迷宮(番外編その3)井の頭公園ぼっち飲みの夕暮れ

 「大人になれば、焼き鳥食べて(ビールもね)いろんな事を考えるものさ」というのはだれの箴言だったか定かではないのですが・・・

 ということで「コンバットマガジン記事への違和感」ブログに寄せられた「非公開コメント」についてすこし考えたりしていました。

 特に、当該記事ライターでいらっしゃるOさまのごく身近な関係者の方からいただいた「投稿コメント(非公開)」については、先方さまに非常に大きな「誤解」があるようでしたのでこの場にてしっかりと誤解を解いておきたいと考えています。また、その上で川村がブログ稿にて提起させていただいたいくつかの論点について、エビデンスを含めいろいろご教示・ご詳解いただければと思っております。

 先方さまからのコメントは非公開仕様で頂いておりますが、事実関係の誤解を解くため必要最小限度の引用をさせていただきます。(以下引用部分は『色』表示)追記:引用不可とのご連絡があり以下引用部分は削除しました。ただし要旨を()にて補記

 『・・・・・・・・・・・・・・。』(批評は歓迎するが盗作というブログの指摘は遺憾)というご投稿でした。

 その点については、前回、前々回ブログをしっかり読んでいただけたらお分かり頂けるとは思うのですが、川村の当該稿は批評として書かせていただいたものであり「盗作」「記事」を盗んだというような指摘はいっさいしてはおりません。「先行した研究、参照した書籍には「参考文献」として言及する事がマナーだと思う。(‥略‥)その辺はしっかり明記しないとただのパクリ記事になってしまうのではないだろうか。」と書いたとおりです。繰り返しになりますが当該記事を「盗作だ」という気持ちはまったくなく、一連の考察・考証については、その元となった根拠や参照元をしっかり明記する必要があるのではないかと疑問を呈したものです。そういった「所作」はものを書いて発表する場合の仁義だと思っておりましたので、その点の指摘を行ったまでです。そのことは誤解なきよう当ブログ稿をお読み頂けたらと思います。

 そのうえでコンバットマガジン誌ライターさま(の関係者の方)が、『・・・・・・』(誤解を与えたことは詫びるがカンプマガジン記事はほとんどをコンバットマガジン記事のライター氏が書いたもの)とおっしゃられております。(もちろん当方へ「お詫びする」必要は全くないのですが)名前を出せずにいた事情は充分よく判りましたし、また、CM誌からの指示で、ページ数の制約や初心者対象という制約から全ての情報が載せられなかった事情もあったようです。なので、さまざまな制約の中で書かざるを得なかったライターさまの事情も理解できます。ですが、当該記事がほかの人(福岡氏)の名義で発出されている以上、そう言った事情を斟酌したとしても、やはり文中、あるいはその他何らかの形で、カンプマガジン記事(あるいは三一新書「べトナム特需」やRDJ「タイガーパターンズ」)に言及し、解説される必要があったのではないかと思うのです。

 ですので、ライターさま(の関係者の方)からのご依頼である(ブログの?)『・・・・・・・。』(記事を取り下げてほしい)とのご要望は、受け入れられないことを明確にお伝えしておきたいと思います。

 いずれにせよ、60年代当時のジャングルプリント(タイガーストライプ生地)が、APAKPA、あるいはCISO事務所などを通じてどのように調達され供給されていったのかなど、(USミリタリアフォーラムみたいに)公開の対話や議論を経て相互に認識が深まっていく世界を願ってやみません。

 ・・というような事を、「いせや(井の頭公園店)」などで、焼き鳥を食べながら(ビールもね)つらつらと考えたりしてたのでした。

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追伸:というわけで(古くからのパーカ系読者の方はご承知のことなのですが)当ブログ『M-51parkaに関する23の事柄』に関しましては、他の読者さまへも経過や状況が共有できますように、コメント欄は原則「公開モード」で投稿されますようご協力をお願いいたします。

重要な追記:当該関係者さまより「引用不可」とのご連絡をいただきましたので一部引用部分を修正させていただきました。また、その方が実際にコンバットマガジン誌の当該ライター氏の身近な関係者であるかどうかについて当方は未確認です。なお、当ブログにて提起した疑問点についてのご意見は現時点で特に寄せられてはおりませんことを申し添えます。 2018/7/25



by poemaquince | 2018-07-18 00:23 | tiger stripe | Comments(3)