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M-51Parkaに関する2,3の事柄

コロナ敗戦の足音が聞こえる

 2021年4月末、東京における感染第4波の感染者数が4桁に突入しました。第二回の緊急事態宣言解除(3月22日)からほぼ5週間で元の木阿弥に戻ってしまいました。
 せっかく人の流れを抑制して接触機会を断って感染抑制しても、「無症状の感染者が感染を拡大させる」という知見に立てば、人流をそのままもとに戻せば、感染者数もまたもとにもどることは、まあ、専門家でなくても察しがつくよね。
 本邦政府は、なぜサーチ&デストロイ(てゆーかテスト&アイソレーション)いわゆる「検査と隔離」戦略をまったく取ろうとしないのでしょうか??
 おまけに、今年に入ってからは「変異株」の危険性も随分指摘されてきた。そして今回の第4波の主力はほぼ変異株に置き換わろうとしている局面になっていたりします。
 そして、今般の変異株にかかわる変化にいついて医療従事者から聞こえてくる声は「若者も普通に重症化する」、「重症化の進展が従来型と比べて早い」などと印象を述べています。
 その「印象」が変異株の特徴なのであれば、現在の高齢者優先のワクチン接種は、医療従事者、介護従事者の優先はもとより、勤労している若い世代や子育て中の世代を優先して接種するように転換すべきではないでしょうか?
 勤労していない高齢者は社会的接触を減少させるリソースをすでに持っているわけであり、であるならば社会に出ていかざるを得ない勤労世代を優先してワクチン接種することが合理的とおもうのです。そうすることにより、社会全体の感染者を減少させ、ひいては高齢者も守ることにもなります。
 いま、日本の政府がとるべき戦略は、公衆衛生の感染症対策の基本に従うことでしょう。それは、1)人流接触の抑制、2)面的検査と隔離、3)ワクチンの広域接種です。本邦政府はこの3っつの作戦のうち1)しかできていません。2)と3)については、この1年間、ほぼ無為無策でした。
 昨年の今ごろを思い出してみてください。当時、500億円の予算を措置してガーゼのマスクを全国に配るとか、2兆円(!)規模で旅行券を配るとかの話を政府が本気で検討していたではないですか(そして実際にそれをやってのけた! あの局面での、あのマスクや、あのGoToキャンペーンがどれほど無為であったか・・)。
 それから1年がたち、状況は改善するどころか悪化しています。そしてなお本邦政府は、いまだTOKYO2020大会の開催に拘泥して、大会への医療従事者動員を画策し、パンデミック対応よりオリンピック実施を優先しようとしています。
 1945年、東京上空を連合軍の高々度戦略爆撃機が飛び回り、十数万人の市民が焼け死んだあとも、なお国民には勝利を喧伝していた日本政府
 その一方、政府内では、すでに誰も戦争には勝てないと内心では思いつつ、戦争終結の対応を取ろうとはしませんでした。その場当たり的な対応、政治的責任からの逃避、無責任な体質を見ていくと当時の帝国日本政府と、21世紀のいまの政府がどうしても重なって見えてしまうのでした。
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1945年灰燼の帝都東京

by poemaquince | 2021-04-30 02:12 | アレという国難 | Comments(0)