もうね、歴代保守政権が慎重に避けてきた事柄について、アレは躊躇なくやってのける。たぶん、自分の振る舞いが後世にどのように評価されるかを解ってないから、躊躇しないんだよね。
たぶん、アレは歴史という時間軸で、ものごとを把握するという所作が身についていないんだよね。それは、この期に及んでアクロバティックに政権を擁護しちゃう一部の「有権者」にも言えることなんだけどもね。
5月29日、東京(の感染症対策を担った病院の)上空を航空自衛隊の曲技隊が飛行した。
私、川村も都内にてたまたまその様子を見ることができた。見物者の反応は概して好意的で、特にその場に居合わせた人々からは「かっこいい~」なんて歓声も漏れてきた。もちろん、蒼い空を背景に編隊を組んで白いスモークを吐きながら飛行するその姿は「かっこいい」
しかし、医療従事者への感謝を表明するのに「軍事装置」を使うことに意義があるのか?という問いには否と答えざるを得ない。
常識的に考えれば、飛行で消費するその数千万円(あるいは数億)は、医療機関のPPE(パーソナル・プロテクティブ・イクィップメント、たとえばディスポのガウンとかN95とか)に使えよ!ということになる。
まあ、行政リソース(使われる税金のことね)の使途の問題もそれはそうなんだけど、それ以上に深刻なのは、そういった「医療者への感謝」を利用した「航空機かっけースペクタクル」が、じつは「軍事装置」に乗っかった単なる政権のプロパガンダだよねというその構造そのものにある。実際、自衛隊のなかの人もその辺については困惑してたりする。
アレ以前の歴代保守政権は、その辺については「自衛隊の政治利用」となるような行動は慎重に避けてきた。
だがアレ政権はそんなことは意に介さず臆面もなく首都上空に「スペクタクル動員」を仕掛けてきた。自分の保身のためなら何でもアリ、さすが卑怯者は図々しい。
個人的にはF86セイバーを飛ばしてほしかった(笑)。