自壊する日本 「縁故資本主義(クローニーキャピタリズム)」のつぎに来るもの
第一に、モリトモ・カケ学園あるいは、山口敬之レイプ事件など、アベとのコネクションの有無で行政がねじ曲げられ、利益が供与されていること。そして行政機構がそういった一連のフェイルを自律的に回復させるどころか、フェイルを重ねて上書きしてしまう事態が明らかになったこと。
第二に、その事実を明るみに出すジャーナリズムの報道があっても、それに関して政権から報道機関に対し公然・非公然の圧力があること。あるいは抗う個人に対しては、前川前文科省次官の例などで明らかなように、身辺を調査して情報をリークし信用失墜を狙ったこと。
第三に、一連のアベ友に対する利益供与スキャンダルに対して、当事者たちが全く「開き直って」政治責任を全うしないばかりか、その責任を他に押し付けて逃げ切ろうとしていること。
これが、後世から振り返って見える「現時点でのアレ政権の姿」であるはずです。
ところが奇妙なことに、TVのワイドショーあるいはネットのニュースアプリ評論などでは、いかにも中立を装った「アベ首相も悪いけど追及できない野党が悪いよね」とか「いつまでモリトモやってるんだ!国政にはもっと大事な問題ガー」とかいった「正論」がはばをきかせたりしています。
アベカルトな人がそう言って息巻くのは解ります(笑)が、一見冷静な物言いで同主旨のことを主張される「評論家」や「ジャーナリスト」などの方々には、「あれっ?」と違和感を感じざるを得ません。以前、宮台真司センセがどこかで仰っていましたが「権力はニギるんだ!」と。なるほど、言うこときかせたい奴の隠しておきたい秘密を掴んで黙らせたり、お追従を言わせたりするということのようです。あるいは実弾(お金のことね)を握らせたりとかもねえ。政権にとっては、潤沢な資金(毎月数億単位の領収書のいらない官房機密費)と、権力基盤に支えられている訳で、そんなことは雑作も無いことでしょう。
マスメディアの報道も奇妙です。舛添前都知事のとき、海外出張で高級ホテルに泊まったとか、公費で「クレヨンしんちゃん」買ってたとか枝葉末節な話を連日報道しておいて、マスゾエセンセの言葉尻を捉えては糾弾していたのに、加計学園への数十億円に亘る利益供与については、かなりおざなりな報道でした。そういった一連の事柄を単なる「忖度」で説明しようとするのは、もはや誤りなのではないでしょうか。
こんなに大きな醜聞(利益供与や公文書改竄)が、社会的に「許容」されつつある今の社会状況はかなり危険な水準であることは、何度でも指摘しておかなくてはなりません。こんな事態は、歴代の他の内閣であったらとうに「退陣」しているレベルです。あるいは、民間企業に比しても経営管理責任を問われてトップは辞任しているはずです。そしてそれは、他のOECD諸国であっても当然に当てはまることがらであるといえるでしょう。
我が国の政治レベルはもはや、「自由な西側先進国」ではなく、お隣の「北の総大将の「共和国」」「中華強大国」「秘密警察出身の大統領を戴く元大国」といったような国家の政治水準に漸進的に近づいているということを肝に銘じておく必要があります。
そしてその路線こそがアレ一派の「取り戻すべき日本の姿」であるのでした。