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M-51Parkaに関する2,3の事柄

べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)

 昨年5月に「べトナム戦争期のM-1ヘルメット」入門編として、まずライナーの解説から始めてみたわけですが、シェルについては不明な点が多く、入門編として解説するには至っておりませんでした。そんな中、先日、記事「デッドコピーのM-1ヘルメット?」http://parkashell.exblog.jp/21029100/ のコメント欄に、Schutze600さまから投稿があり、その中でシェルの刻印にいついていろいろとご教示をいただきました。そのことを手がかりに、いままでほとんど見当のつかなかったシェルの刻印について、さっそく確認をしてみました。この場をお借りして改めてSchutze600さんに感謝の意を表したいと思います。
 では、具体的に見ていきましょう。刻印(ヒートスタンプ)の場所を付箋にて示しています。

McCord(マッコード)製
1965年4月のコントラクトと思われるもの。
刻印は「M 333 B」
明るいオリーブグリーン色に留意
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_001499.jpg


同じく刻印部のクローズアップ
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_00726.jpg


Ingersoll製(推定)
刻印は、「 I - 9071」
マッコードが”M”のプレフィックスをもっているのならば、" I "はIngersollと推定される。
Ingersollのコントラクト、65年4月、6月、12月、66年3月、7月、67年4月のいずれかと思われる。
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_00087.jpg


同じく刻印部のクローズアップ
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23594765.jpg


Parish(1968-69)もしくはR.J.Stampings(70-76)
刻印は「8924」
プレフィックスの無い4桁の刻印、字体や大きさも異なる。
刻印の場所にも留意
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23593816.jpg


刻印部のクローズアップ
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23593126.jpg


同じく、「8924」の刻印であるが、こちらは2カ所に刻印
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23592582.jpg


刻印部
うちひとつは「上下反転」していることに留意。
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23591785.jpg


シェルの外観
60年代より、シェルの色が「明るいオリーブグリーン」に変更された。
手前左より「マッコード」「インガーソル」
後ろは、それぞれ「8924」「8924」(「パリッシュ」または「R.J.スタンピングス」と思われる)
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23585496.jpg


大戦型のシェルとの色調の比較
手前左よりべトナム戦「マッコード」「インガーソル」「8924」
うしろ奥左から「マッコード」「マッコード」「シュルター」
べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)_a0164296_23581193.jpg

大戦型シェルの刻印についても近々ご紹介したいと思ってます。
by poemaquince | 2016-10-31 00:03 | M-1 | Comments(4)
Commented by 汎用服男 at 2016-11-05 15:59 x
あぁ、実に興味深い記事です。ヘルメットのメーカーなど分からないものと、端から諦めておりました。私が7年前に入手した2個の『明るいマットなオリーブグリーンでツブツブ吹き付けの為されていない』M1ヘルメットには、それぞれ記事と同じ個所に『I-907』『M 329 A』の刻印があります。『M 329(829?多分、329) A』の方は今回の写真と同様に刻印部分がライナー側(若しくは何層にも積み重ねられて保管されていたシェル同士の擦れ)の『ツブツブ』が擦れて少し読み取り難いのですが、INGERSOLLとMⅽCORDだったのですね!貴重な情報、感謝致します。ちなみに両ヘルメット共にナム戦型で錨マークのあるストラップ、64年コントラクトのライナーが付属していました。今回の記事とは直接関係ありませんが、『ツブツブ』といえば80年代の取り外し式サスペンションとなったライナー(表面のツブツブ吹き付けが強め、というよりは砂粒が大きくてガリガリ!)には帽体がシェルより明らかに大き過ぎてピッタリはまらずにライナー下部が2cm以上はみ出すものが出回っていましたね。同じライナーを販売していた某サープラスショップのオーナーさん曰く、『当時に支給されたものにはありがちな事で、兵士が個々にライナー下部を削って使用していた』とか言っていましたが同メーカー(SPECIALTY PLASTIC PRODUCTS製)の同年代製でほぼピッタリくるものもあるので、個人的には軍納入時の検品に弾かれたイレギュラー品だと思っています。また、長くなってしまいました・・・済みません・・・。
Commented by poemaquince at 2016-11-05 21:39
汎用服男さま
コメントありがとうございます。
「つぶつぶ吹き付けのない明るいオリーブグリーンのシェル」を実際にお持ちなんでしょうか??そうすると、Schutze600さんのご指摘の通り、当方の「良く判らないM-1」ヘルメットもマッコードラジエーターであってもおかしくはないということになります。ひゃー。もしかして、MDAPもの?
Commented by 汎用服男 at 2016-11-06 03:11 x
poemaquince様
まずはお詫びせねばなりません。
当方の前回コメントの内容について大きな誤りであることが判明しました。備忘録的につけているデータと記憶をもとに書き込みをさせて頂きましたが、改めて倉庫の奥からヘルメットを引っ張り出して確認したところ、『I-907』『M 329 A』については砂粒状の吹き付けがあり、色も明るいグリーンというよりはINGERSOLLの色に近いようです。他にリペイントされたナム戦時の中古ヘルメットも所有しているのですが、シェル内側リペイントされずに残った部分が明るいグリーンに近く、また、『I-907』『M 329 A』の肌合いがそのヘルメットよりもはるかにザラつきが少なかった(砂粒がシェル全体を覆っておらず、点在して吹き付けられている感じ)ことが印象に残り「ツブツブの吹き付けがない」と思い込んでいたようです。
誤解を与えてしまい、誠に申し訳ありませんでした。
Commented by poemaquince at 2016-11-06 20:35
汎用服男さま
わざわざご確認していただきかえってすみませんでした。
いや、びっくりしましたがやはりつぶつぶはありましたか。
うーん すこし 残念(笑)