M-51Parkaに関する2,3の事柄

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虎紋迷彩の迷宮 ADSとADDの場合 デンスとかスパースとか(その2)

 R.D.ジョンソン氏のパターンブックにて定義されるタイガーストライプの柄は、同じ系列の柄ごとのヴァリエーションモデルをデンス(Dense:濃厚)とかスパース(Sparse:希薄)とか名付けてサブカテゴリーとして分類しています。

 ある特定のエリアに「特定の柄」が現れたら「スパース」で、同じ系列でもその「特定の柄」が省略されていれば「デンス」というようなことのようなのです。

 前回の「デンスとかスパースとか」では、おたまじゃくし柄のスパースとデンスについてみてみました。(http://parkashell.exblog.jp/23253734/
 今回は、軍事顧問(アドバイザーズ)柄のスパース(ADS)とかデンス(ADD)について見てみたいと思います。
なお、スパース、デンスについてのR.D.ジョンソンの定義を再掲しておきます。
Richard Denis Johnson
Tiger Patterns: A Guide to the Vietnam War's Tigerstripe Combat Fatigue Patterns and Uniforms (Schiffer/1999 )
pp66-67

(要旨の仮訳(再掲))
スパース
パターンの変更された独特の領域に、任意の特定柄が含まれて「ある」とき、そのパターンはその領域の内容(柄?)によって見た目が拡張され、著者によりスパース(希薄系)フォームと名付けられ、以来、幾ばくかの批判(中傷)はあるにせよその内容(ターム?)は広まって来た。
デンス
パターンの変更された独特の領域に、任意の特定柄が含まれて「ない」とき、そのパターンはその領域内の柄を通じて見た目が縮小、濃縮され、あるいは省略により脱落しているゆえ、著者によりデンス(濃厚系)フォームと名付けらた。


右、ADS(ゴールドタイガーとも呼ばれる)のアングロカット(7つポケットにフロントファスナ)
左、ADD(ARVNクラッシック)のアジアンカット(5つポケットにフロントボタン、裾にドローコード)
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アドバイザーズ(軍事顧問)パターンでのデンス(左)と、スパース(右)の例
アドバイザーズスパース(右)の場合、付箋と付箋の間の柄をジョンソン氏は「任意の特定柄」としています。
アドバイザーズデンス(左)の柄は、右(ADS)に比べ付箋の間の柄が省略されてしまっていることが判ります。
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by poemaquince | 2017-06-04 01:46 | tiger stripe | Comments(0)

虎縞迷彩服の迷宮 MASHレプリカの驚異!オリジナルと比べてみよう TDSの巻

 90年代末から00年代初頭にかけて、大阪MASHさんが企画した「タイガーストライプ」レプリカは、その再現性の高さからそれ自体がコレクターズアイテムとして世界中のコレクターから絶賛されたりしています。
 (残念ながら90年代当時の川村は、タイガーストライプには全く興味がなく、腐敗した軍事政権とそれを支援する新植民地主義尖兵の「トラ柄のキモいアレ」くらいの認識でした(笑)。それが、数年まえにリップストップの「当時もの」を見かけたこと(TSの迷宮その1参照)をきっかけにいろいろ気になりはじめ、いまでは、パーカのことも等閑(なおざり)にして、今更ながらこんなブログを書いていたりします(いや、人生どう転ぶか判んないもんです)。)
 というわけで、さっそくMASHさんのレプリカがどんなに凄いか見てみましょう!
 今回比較するのは、ジョンソン分類でいうところの『おたまじゃくし柄希薄系/タッドポールスパース/TDS』MASH分類では『シルバーパターン』、それのいわゆるアジアンカット(5個ポケット、フロントボタン)モデルです。

 両者の全景
 左:MASH
 右:オリジナル
追記:色味はそのときどきの生地/捺染具合により印象が大きく変わることがあるため、色の印象のみをもって似ている似ていないを論ずることはあまり意味の無いことと考える。
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 フロントボタンを開いたところ
 ボタンは、ポケットも含め全て同径同型であることに留意
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 フロントボタンの配置状況
 ボタンの台布は長方形でなく緩いテーパーがかかっていることに留意
 (上の写真も参照)
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 背面から見たところ
 写真では判りづらいが臀部ポケットはいずれも外側に襠がひらいている。
 左:MASH
 右:オリジナル
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 サイズタグの比較
 上段:MASH
 下段:オリジナル
 字体や、生地の布織は異なるが、MASHで再現されたような字体や生地もあったと思われる。
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 MASHのサイズタグのクローズアップ
 織りが荒く、洗濯をするとすぐにほつれてしまいそうなタイプ?
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 オリジナルのサイズタグのクローズアップ
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 大腿ポケットの比較
 左:MASH
 右:オリジナル
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 バンテージポケット(シガーポケット)?のクローズアップ
 左:MASH
 右:オリジナル
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 ポケットの襠の状況
 両ポケットとも前方に開いている。
 MASHについては小ポケットの襠を膨らませ忘れたため写っていないがちゃんと箱ポケットになってます。
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 裾のドローコード
 コードは、手芸でよく見かける太いものを使用している。
 トラウザーズのシームに沿って取り出し口をつくっていることに留意
 上段:MASH
 下段:オリジナル
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 ボタンのクローズアップ
 上段:MASH
 下段:オリジナル
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 ボタンの裏面の状況
 へそ(段差)が付かないラウンドバックであることに留意
 左:MASH
 右:オリジナル
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 タイガーパターン「おたまじゃくし」部分の比較
 パターンのみで真贋を見分けるのはちょっと困難
 左:MASH
 右:オリジナル
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 というわけで、生地、カット、その他部材等非常にリアルに再現されていることがご理解いただけたと思います。 なので、程よくフェードしてしまえばオリジナルと鑑別するのは(サイズ感を除いては)困難です。
 左:MASHのアジアン-スモールサイズ
 右:オリジナルのアジアン-ミディアムサイズ
 アジアンサイズの場合、MASHのほうが、ふた廻りほど大きくつくられている。
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by poemaquince | 2017-05-23 21:50 | tiger stripe | Comments(0)

タイガーストライプの迷宮 60年代HAMAジッパーについてのあれこれ(YKKもね)

HAMAファスナーについては、MASHさんウェブページ http://www.mash-japan.co.jp/cgi-bin/prd.cgi?itemno=95-05-6701 にある「東大阪にあった新日本ファスナーという会社のブランドである」という記述を嚆矢(こうし)として、それ以上の情報はネット界隈にはあまりみられません。
 わたくし川村も、それ以上何も判りはしないのですが、とりあえず二つのタイプのHAMAファスナーについて比べてみたいと思います。
 
JWD(ジョンウウェイン濃厚系)アングロカットパンツのHAMAファスナー
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同 引手裏面
このタイプの引手裏面にはHAMA刻印が無い!ことに留意
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同 スライダー裏面
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ADS(アドバイザー希薄系)アングロカットパンツのHAMAファスナー#3
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同 引手裏面
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同 スライダー裏面
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レプリカのHAMAファスナー#3
(リアルマッコイの製品についていたものであるが、企画はMASHのもの?)
刻印、メッキの輝度、テープ色なども含め非常に精確に再現されている。
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同 引手裏面
(あまりにリアルなため、鑑別のためわざと刻印を省略したのではないだろうか?) 
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同 スライダー裏面 
「3SY」の刻印に留意
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参考に、同時代のものと思われるYKK(吉田工業株式会社)製ファスナーも例示してみます。
コマーシャルタイプダックハンターパンツ
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同 引手裏面
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同 スライダー裏面
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コマーシャルタイプパンツ(JWD生地)
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同 引手裏面
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同 スライダー裏面
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by poemaquince | 2017-05-21 14:57 | tiger stripe | Comments(0)

二次大戦期のM-1ヘルメット(シェル編)その1

 記事「デッドコピーのM-1ヘルメット?」http://parkashell.exblog.jp/21029100/ のコメント欄にて、Schutze600さんから投稿があり、シェルの刻印にいついていろいろとご教示をいただきました。そのことを手がかりに、いままでほとんど見当のつかなかったシェルの刻印について、確認をしてみたわけでした。まずべトナム戦期のシェルについて二回にわたり観てきたわけですが、今回は、二次大戦期のM-1ヘルメッットシェルについてみてみましょう。ロットナンバーの刻印(ヒートスタンプ)の場所を付箋にて示しています。

the McCord Radiator and Manufacturing Company (1941年6月〜1945年8月?)
以下、マッコード製のシェルについての考察です。
大戦中のマッコード製シェルの外観については、リムの合わせ目の位置(フロント/リア)の違い、チンストラップループの形状(固定/可動)の違いにて大まかな生産時期が推定できます。

正確な出典は不明ですが、マッコードのヒートスタンプナンバーとその生産時期?の対応表をSchutze600さんからご教示いただきました。今回はそのチャートをもとに大まかな生産年を推定しています。(画像枚数の上限のため、表は次回に)

_19A
フロントシーム スイベルベイル
リペイント
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最初のケタの刻印がはっきりしないので、二ケタ数字か?とも考えましたが、フロントシームであってかつ、スイベルベイルなので、1943/10〜1944/11の間の生産と思われます。
従ってヒートスタンプのロットナンバーは600〜1000の間になるはずなんだけど、どうなのだろうか??
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837E
フロントシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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1944/03頃
レイノーザ(M.A.Reynosa: The M-1 Helmet a history of the U.S.M-1 helmet in W.W2/Schiffer1996)によれば、フロントシームは1944年11月頃まで生産されていたようなので、チャートの時期とも矛盾しません。
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10_6G
フロントシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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チャートから生産時期を推定するとロットナンバーは106ではなく2ケタ目が抜けている(10*6)と推測されます。

1195D
リアシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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1945/03頃
ロットナンバーとシーム、ベイルに矛盾はありません。

1262D
リアシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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1945/06頃
ロットナンバーとシーム、ベイルに矛盾はありません。


以上は、マッコードラジエーター社製シェルについてでした。
つづく
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by poemaquince | 2016-12-18 21:33 | M-1 | Comments(0)

タイガーパターン 恐るべし日本のドメスブランド!マニアックな魂に脱帽

まずは、このアーリーパターン(ジョン・ウェイン・スパース)のユティリティシャツとパンツ(BUT-5P2)をご覧ください。
これ、実はどちらかがレプリカなのですが、遠目にはわかりません。
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パターンの比較です。
右がシャツで、左がパンツです。
「お化けの腕」(http://parkashell.exblog.jp/19701384)や、「泳ぐ生き物」(http://parkashell.exblog.jp/23253734)に挟まれて、「アーリーパターン」(JWS)にみられる「ウロボロス(へび)の開いた口」(くの字)もみられます。
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右がシャツで、左がパンツです。
下方には「ひよこ」(http://parkashell.exblog.jp/21294043)もいます。
件のファティーグボタンは、つやつやです。
どちらがレプリカか、わかりましたでしょうか?
えっ?ユティリティシャツの形(カット)が新しすぎる?そうですね。良い着眼点ですね。
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答えはこちらでした。
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高品質ドメスティックブランドの「MARKA WEAR」さんのアイテムでした。
いやはや、アーリーパターン(JWS)をすばらしくリアルに復元しています。
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背面のパターンもこのとおり
アーリーパターン(JWS)の特徴を実によく再現しております。
そのこだわりに脱帽です。
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ロゴ刻印いりのファティーグボタン、はじめ、平ボタンに替えちゃおうかとも思ったけど、もったいないので止めました。
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企画されたデザイナーさんの解説のページ→(http://parkingmag.jp/work/4346/?nomobile)です。ご参照ください。
レギュラーの展開では、上着は「USアングロカット(C2B-EXP-3P1/カフ袖、胸2ボタン露出、3ポケット腕1ボタン)」とファティーグタイプで、今回のユティリティは、コラボレーションの企画品みたいです。個人的にはこの生地でアジアンタイプ(C1B-COV-2P/カフ袖、胸1ボタンフラップ覆、2ポケット)で、モデル化してほしかったけど、贅沢はいいません。(あと、これも仕方のないことなのですが、価格的にオリジナルとあまり差がないというところは、もう、どうしてもハードルが高くなってしまいます。)
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by poemaquince | 2016-11-13 00:50 | tiger stripe | Comments(0)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編その2)

「べトナム戦争期のM-1ヘルメット」シェル編その2として、通常兵用と空挺兵用について見ていきたいと思います。
といっても、シェル本体の造りに違いは無く、シェルにつくチン・ストラップのみ仕様が異なります。
通常のチンストラップと比較して、シェルとの固定用ドットボタン(スナップファスナ)のスタッド(凸)がついたものが空挺兵用になります。詳細は写真をご覧ください。

右が空挺タイプ
左が通常タイプ
空挺タイプのスナップファスナ(ドットボタン)に留意
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チンストラップの比較
右が空挺タイプ
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空挺タイプのチンストラップ
スナップファスナのスタッドが良く解る。
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通常タイプのもの
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チンストラップのバックル
刻印の状況に留意
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バックルのうちボールリリースフックの無いものとの比較
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バックルにフックを掛けたところ
ボールリリースシステムありとなし、それぞれの違いに留意
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今回のシェル
McCord(マッコード)製
1965年4月のコントラクトと思われるもの。
刻印は「M 326 C」
明るいカーキドラブ色にリペイント?
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同じく刻印部のクローズアップ
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空挺用チンストラップのついたシェル
推定でParish(1968-69)もしくはR.J.Stampings(70-76)
刻印は「7371」
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プレフィックスの無い4桁の刻印、字体や大きさも前回の「8924」と異なる。
刻印の場所にも留意(付箋側がシェルの下側になります)
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by poemaquince | 2016-11-05 20:11 | M-1 | Comments(2)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)

 昨年5月に「べトナム戦争期のM-1ヘルメット」入門編として、まずライナーの解説から始めてみたわけですが、シェルについては不明な点が多く、入門編として解説するには至っておりませんでした。そんな中、先日、記事「デッドコピーのM-1ヘルメット?」http://parkashell.exblog.jp/21029100/ のコメント欄に、Schutze600さまから投稿があり、その中でシェルの刻印にいついていろいろとご教示をいただきました。そのことを手がかりに、いままでほとんど見当のつかなかったシェルの刻印について、さっそく確認をしてみました。この場をお借りして改めてSchutze600さんに感謝の意を表したいと思います。
 では、具体的に見ていきましょう。刻印(ヒートスタンプ)の場所を付箋にて示しています。

McCord(マッコード)製
1965年4月のコントラクトと思われるもの。
刻印は「M 333 B」
明るいオリーブグリーン色に留意
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同じく刻印部のクローズアップ
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Ingersoll製(推定)
刻印は、「 I - 9071」
マッコードが”M”のプレフィックスをもっているのならば、" I "はIngersollと推定される。
Ingersollのコントラクト、65年4月、6月、12月、66年3月、7月、67年4月のいずれかと思われる。
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同じく刻印部のクローズアップ
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Parish(1968-69)もしくはR.J.Stampings(70-76)
刻印は「8924」
プレフィックスの無い4桁の刻印、字体や大きさも異なる。
刻印の場所にも留意
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刻印部のクローズアップ
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同じく、「8924」の刻印であるが、こちらは2カ所に刻印
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刻印部
うちひとつは「上下反転」していることに留意。
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シェルの外観
60年代より、シェルの色が「明るいオリーブグリーン」に変更された。
手前左より「マッコード」「インガーソル」
後ろは、それぞれ「8924」「8924」(「パリッシュ」または「R.J.スタンピングス」と思われる)
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大戦型のシェルとの色調の比較
手前左よりべトナム戦「マッコード」「インガーソル」「8924」
うしろ奥左から「マッコード」「マッコード」「シュルター」
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大戦型シェルの刻印についても近々ご紹介したいと思ってます。
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by poemaquince | 2016-10-31 00:03 | M-1 | Comments(4)

タイガーストライプの迷宮(その18) デンスとかスパースとか

 R.D.ジョンソン氏のパターンブックにて定義されるタイガーストライプの柄は、同じ柄の系列ごとのヴァリエーションモデルをデンス(Dense:濃厚)とかスパース(Sparse:希薄)とか名付けてサブカテゴリーとして分類しています。
 このデンスとかスパースとかの区分について、ネット上のありがちな情報(とか、日本の"ウォーキッズ"雑誌)では、プリントのロール径とか柄(特に黒い部分)の分布の密度などによる分類のように説明しようとしたりしていますが、すこし違うようなのです。
 ジョンソン氏はこの概念について「定義」を説明はしているのですが、かなり独特の概念のためか、英文を読んでも実のところはっきりとは良く解りません(笑)。が、あえて忖度すると、新しいエリアに「特定の柄」が現れたら「スパース」で、同じ系列でもその「特定の柄」が省略されていれば「デンス」というようなことのようなのです。もちろん「特定の柄」が挟まっているほうが、柄の大きさが「同じ場合」には垂直方向の距離は「長く」なるのですが、必ずしも距離(ローラーの径)で区分しているわけではないようです。(いっぽう、実際のところ同一の基本カテゴリー内でスパースとデンスを比較すれば、やはりスパースのほうが距離は長いといえそうです。)

で、書籍より「定義」の部分を引用すると、

Sparse:(希薄/疎)
When the unique, additional pattern modification area "is found" to have been included upon any particular pattern, then that pattern has been visibly expanded somewhat through that area's inclusion and is termed by myself to be in its sparse form, since the pattern has now been somewhat aspersed, or amplified through its inclusion.
Dense:(濃厚/密)  
When the unique, additional pattern modification area "is not found" to have been included upon any particular pattern, then that pattern has been visibly reduced somewhat through that area's omission and is termed by myself to be in its dense form, since the pattern itself has been somewhat condensed, or diminished through its omission.
 Sgt.R.D.Johnson, 「Tiger Patterns」pp.66-67 (Schiffer Pub Ltd.1999)


(要旨の仮訳)
スパース
パターンの変更された独特の領域に、任意の特定柄が含まれて「ある」とき、そのパターンはその領域の内容(柄?)によって見た目が拡張され、著者によりスパース(希薄系)フォームと名付けられ、以来、幾ばくかの批判(中傷)はあるにせよその内容(ターム?)は広まって来た。
デンス
パターンの変更された独特の領域に、任意の特定柄が含まれて「ない」とき、そのパターンはその領域内の柄を通じて見た目が縮小、濃縮され、あるいは省略により脱落しているゆえ、著者によりデンス(濃厚系)フォームと名付けらた。

「特定の柄」はかなり任意に選んでいる様子なので、いろいろな批判があることはジョンソン氏自身も書いています。(批判というよりはご本人は中傷と受け取っているようですが)
いずれにせよ、素人が訳しているだけなので和訳が見当違いの可能性もあります。あくまで仮のものとしてご参考ください。(川村のちから不足もありますが、ジョンソン氏の英文もけっこう悪文(笑)のように素人的には感じます。)

タッドポール(おたまじゃくし)パターンでのデンス(左)と、スパース(右)の例
タッドポールスパース(右)の場合、おたま柄の上にいる「泳ぐ生き物みたいな柄」(囲んで示す)をジョンソン氏は「任意の特定柄」としています。
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タッドポールデンス(右)には、この「泳ぐ生き物みたいな柄」が省略されているので「デンス」であると説明しています。
(例が判りにくくてすみません。大事な部分がポケットに隠れてしまって確認できない(笑)のですが)
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なんてゆうか、基本カテゴリーの「おたまじゃくし」の命名は秀逸と思うけど、サブカテゴリーは、タッドポール(TO-78)とかタッドポール(シルバー)とかにしたほうが判りやすい気がするんだけど。
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by poemaquince | 2016-09-30 23:12 | tiger stripe | Comments(2)

どひゃーっっ!ジョンウエイン(デンス)って、ベーカーGS-13なの? TSの迷宮その17

CISO(Counter Insurgency Support Office /叛乱対抗支援事務所)について調べものをしていて、とんでもない写真を見てしまいました!
Jason Hardy氏によるUSミリタリアフォーラムのこの投稿です。
1965 Prototype Tiger Stripe Camouflage Uniform Set
http://www.usmilitariaforum.com/forums/index.php?/topic/266796-1965-prototype-tiger-stripe-camouflage-uniform-set/

これって、CISO調達の納品見本みたいなものではないかと思うんだけど、そこの紙タグに書かれた文字にびっくり!!(スレッドの皆さんもびっくりしている様子です(笑)。)
「PREPRODUCTION SAMPLE IDENTIFICATION TAG 」(製造用見本証明タグ)と書かれた用紙にいろいろ書かれています。半分はかすれて読めないのですが、何となく読める部分を拾い読みすると
「NOMENCLATURE」(品名)の項目には「US シングル "M" カモフラージュ コート」の記載(すみません面倒なのでカタカナ表記)
裏面は、「R**UESTING AGENCY」(一部読めない)その記載の下に
「TYPE NAME, GRADE & TITTLE」の項目がありその欄の記載は「C.B.ベーカー 
-GS-13, CISO」との記載が有ります。どひゃー、コレ(JWDのUSカット)って、「ベーカー GS-13」って呼ぶの???と大発見に色めき立ちます。ところが文字は続きます。
[CONTRACTING OFFICER, OPC](契約担当官,OPC)の記載の下に引き続いて同じ表記が!
「TYPE NAME, GRADE & TITTLE」の欄には「ラルフ J.ストーム -GS-12」の記載です。あれ、ベーカーGS-13ではない??この「タイプ,ネーム」って「形式名称」という意味ではなく、どうやら担当者名(のタイプ打ち)くらいの意味のようです。「GS-13,CISO」も一般的な「グレード」をさすものなのかこの型この柄のモデルをさすものなのかはっきりしません。(とほほ)
しかしながら、この業界そういった俗称もありかな(例えば海軍フライトJKTをWEPって呼んでるとか)とも思えますので、あの柄のアングロカット(US裁断)はジョンウエインでなく、GS-13CISOと呼ぶのもカッコイイかも(笑)。
 上記リンク先に紙タグの写真もあります。ぜひご参照ください。

Jason Hardy(c) / US militaria fourum / May 2016
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by poemaquince | 2016-09-28 01:00 | tiger stripe | Comments(2)

サイゴン1955 あるいはタイガーストライプの始まり?

 たまたま、サイゴンの古い写真をなにげに見ていたら「あれれ、このひとたち、タイガーストライプ着てんじゃね?」と目にとまりました。ところが写真のキャプションは「サイゴンの戦い1955」です。タイガーストライプの始まりは、「一番槍ブログ」のタイガ氏が1960年頃と考察、特定されています(http://ichiban.militaryblog.jp/e502218.html)。そこから5年も遡るとは「こりゃ大発見かも!」とびっくりして一瞬喜んだわけですが、落ち着いてよくよく考えてみると、これはフランス軍の使用した「インドチナ・リザード」スモックではないかと考えるのが正解でしょう。キャプションにも「空挺部隊が」とかいてありますし。
 50年代からフランス軍のリザードパターンはすでにいくつかのバリエーションがあり、フランス本国では古くからリザードのエンスージアストによってパターンがきちんと分類されている様子です(良く判らないけど(笑))。
 ちなみにジョンソン氏の「タイガーパターンズ」を確認すると、VNX(ベトナミーズエクスペリメンタル)パターンは、57年8月と58年12月のスタンプが現存し、最初の制式海兵隊パターンは、59年8月に導入されたと記載されていました。このこともタイガ氏の考察とほぼ一致します。

(注)59年8月と60年では一致しないのではというツッコミもありそうですが、そもそもジョンソン氏も、さらっと"officially adopted"としか書いてありません(もしかしたら別の場所で詳述してるかもしれませんが(笑))。この手の「アイテム」がいつ「導入」されたかという問題は「何をもって導入」とみなすかで、いくらでも動くものと考えます。仕様が確定された段階か、調達の意思決定をした段階なのか、(被服の)コントラクトした段階なのか、あるいは納品され部隊に配備された段階なのかetc. そのようなことから、数ヶ月の時間差は、当時の当事者である「TQLC師団P3チーフ(作戦参謀長)チャン・バン・ヒェン元中佐」の証言と全く矛盾しないばかりか、その情報を補強するものと考えます。またこの記事を発掘し、和文で紹介したタイガ氏の功績は高く評価されるべきと川村は感じております。


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 銃撃戦の中、ビン・シュエン派の部隊が強固に立て籠るペトュス キ(読み方判りません)高校?へ進出する空挺部隊
出典:http://rvnhs.blogspot.jp/2015/05/the-battle-of-saigon-sixty-years-ago.html
 追記:インドチナリザードを着ているのは、フランス軍ではなく、ゴ・ジン・ジェム大統領派(ていうか国軍)です。誤解なきよう。
 追記の追記:見逃していたのですが、上記写真のリザードパターンは、タイガ氏の所有されているTAP47/53降下服に非常に似ていることに気づきました。http://ichiban.militaryblog.jp/e591404.html
おまけに、おなじページにビンシュエン派との戦闘の写真もありました。大変失礼いたしました。
下↓の写真のものより似ている気がします(笑)。確証はないけど。

 で、今回、サイゴン1955の写真に近いと思われるパターンはコレかな?
 おなじみ「エ」の字の原型や、「ひよこ」「とびけら」がいるのが判ります。ほかにもおなじみの図形が!
cパターンと呼ばれている様子です。
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 出典:IACMC http://iacmc.forumotion.com/t4678-tta47-toutes-armes-or-modele-general-modele-allege
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by poemaquince | 2016-09-18 00:27 | tiger stripe | Comments(2)