M-51Parkaに関する2,3の事柄

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MIL規格P-11013における初期胸囲サイズ表記の変遷について

 M-51パーカの調達仕様、規格MIL-P-11013においては、1951年3月の当初から1952年の12月にかけて、胸囲のインチサイズの表記が2回変更されています。したがってその点に着目すれば、たとえコントラクト年月日が消えてしまっていて分からなくても、概ねのコントラクトの時期を特定する手がかりになるのではと考えていたのでした。ところが前稿、前前稿にてご紹介したとおり仕様書に規定されるサイズ表示とコントラクトの時期は必ずしも一致しない事例が多発(ていうか、そもそもコントラクト日付が残っているものが少ないので母数自体がほとんどないのですが(笑))しているのでした。

まずは仕様書の確認です。
MIL-P-11013(QMC) /初版QMC(1951年3月14日〜)
MIL-P-11013(QMC) AMENDMENT-1 /修正1(1951年6月11日〜)前仕様から約3ヶ月で修正
MIL-P-11013 A /改版A(1952年12月24日〜)前の修正から約18ヶ月で全改版 その後、60年代まで基本的に変更はない模様

初版MIL-P-11013(QMC) (1951年3月14日)
この版のインチ表示を採用している個体は寡聞にして見たことがありません。
現認された方がいらっしゃいましたら是非情報のご提供をよろしくお願いいたします。
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MIL-P-11013(QMC)AMENDMENT-1(1951年6月11日)
 約3ヶ月後の6月11日付で修正-1が入ります。初版の4ページ目の3.3.13.1の項目を差し替えるように要求しています。初版に比べそれぞれ1インチずつインチ数を落としています。
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MIL-P-11013A (1952年12月24日)
 修正1が入ってから、約18ヶ月後に全面改訂になります。インチ数は初版に戻りますが、36.9"→37inchesというように端数を丸めて、インチの単位表記を変更しています。
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FOX-KNAPP MFG.CO 1951年5月21日コントラクトの個体
コットン厚生地 (以下は以前の写真の使い回しで、全景写真は省略になっちゃいました。すみません。)
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同じく、同個体のサイズ表示クローズアップ
アメンドメント1の表示を適用していることに留意
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フィラデルフィア需品厰が直営にて生産したと思われる個体
薄手コットンナイロンオックスフォード地
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同じく、同個体のサイズ表示等(ポケット裏)
直営なのでコントラクト日付がないものと推定される。
インチ表示の値が52年12月版のものを先取りしていることに留意
ただしインチが、@@inches でなく@@"であることに留意
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この件に関しては別稿2010年7月の記事「コットンサテンの厚生地は本当に「初期型」か?」も併せてご参照いただけるとすこし分かりやすいかもしれません。
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by poemaquince | 2014-03-23 09:29 | parka | Comments(12)

ALBATROSS-FRANZ MAYERER CORP. 1952年1月15日 あるいは初期型に関する考察(謎その4つづき)

 前回に引き続き初期の薄型コットンナイロン生地についての考察です。
 少なくとも51年7月には、SIGMUND EISNER Co.のコントラクトがあったことが現認されたわけですが、ただし「サイズ表示のインチ表記」についてはMILスペックの改版A(1952年12月24)のものを先取りしていたものでした。
 一方、今回のALBATROSS-FRANZ MAYERER CORP.(アルバトロス・フランツマイヤー?)の個体は コントラクトが52年1月であるもののサイズインチ表示が、MILスペックのアメンドメント1(修正1)の表示のままになっています。このことはM-51パーカの発注元が、フィラデルフィア需品厰によるものかニューヨーク需品調達庁によるものかによる違いなのではないかと勝手に推測したりしています(この点については改めて別稿で考察できればと思っています)。

仕様策定から10ヶ月後の契約成果品
1952年1月契約の ALBATROSS-FRANZ MAYERER CORP. のM-51
生地はコットンナイロンの薄生地、フロントファスナーはクラウン、袖の大型ボタンは薄型
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フード内側のサイズ/コントラクトスタンプの全景
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コントラクトスタンプのクローズアップ
4行目に1952年1月15日のコントラクト日付が確認できる。
7行目N.Y.Q.M.P.A.のスタンプに留意
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サイズスタンプのクローズアップ
サイズ表示「36”UP TO 39.9"」は仕様MIL-P-11013"アメンドメント1"(1951年6月11日付)を反映している。
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by poemaquince | 2014-03-22 17:17 | parka | Comments(0)

SIGMUND EISNER Co. 1951年7月31日 あるいはM-51パーカ初期型の謎その4

 いやホント久々に、M-51パーカの話題です!!
 M-51パーカの「初期型」の謎については、このブログ開始当初から、断続的に考察してきたところです。前回「その3」として言及してから、なんだかんだで一年半が経過してしまいました。
 M-51パーカは半世紀以上昔の製品で、生地に直接プリントされている表示が残っている個体が少ないため、細かい時期を特定することがなかなか困難だなーといつも感じています。そんな訳でこのブログのテーマのひとつであるM-51パーカの厚地コットン生地の謎もなかなか明らかにならないのですが、今回、不鮮明ながら1951年7月コントラクトのコットンナイロン(オックスフォード)の個体を確認することができました。すくなくとも仕様策定から4ヶ月後の契約成果品には薄生地コットンナイロンのものがあったことがわかります。

1951年7月契約のSIGMUND EISNER Co.(ジクムンド・アイスナー?)のM-51
生地はコットンナイロンの薄生地、フロントファスナーは大型TALONのアルミ、袖の大型ボタンは厚型
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フード内側のサイズ/コントラクトスタンプの全景
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コントラクトスタンプのクローズアップ
少し見づらいけれど、4行目に1951年7月31日の日付が確認できる。
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サイズスタンプのクローズアップ
なんとサイズ表示「41” TO 45"」は仕様MIL-P-11013"A"(1952年12月24日付改訂)を先取りしている。
(仕様に先行するスタンプ表示の事例はいくつかみられる。この個体のコントラクトナンバーは「Q.M.18941????」フィラデルフィア需品厰発注のものと関係あるのだろうか?)
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by poemaquince | 2014-03-22 01:30 | parka | Comments(12)