M-51Parkaに関する2,3の事柄

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M-51PARKA 初期型の謎 裾の形状など

 以前にも何度か言及し、気にはなっていたテーマなのですが、今回は初期型について再度考察していきたいと考えます。
 以前から、比較的「初期」っぽいと感じられるパーツ、例えばタロンの大型ジッパーや、袖の平型ボタンなどをひとつのメルクマールと考えていた訳ですが、2010年7月に、左身頃すそのドローコードのトンネル端の図に気がついて(「極初期?M-51モッズパーカー」http://parkashell.exblog.jp/10921248)、
もしや極初期の原型モデルではないか?などと推測したりしています。(もう2年も経ってしまいました。)
 この件は、M-51パーカ仕様書のヒストリカル版を入手してみたら、やはり「初版」の仕様図からの引用であることがわかったわけですが、一方、同仕様書では、生地はコットンサテンではなく、当初からコットンナイロンオックスフォードを指定していたり、袖ボタンも、厚型を指定したりしており、現在までいまだ謎が深まるばかりになりました。そんな訳で、そもそも「初期」の定義をどうすればいいのかいまもって混乱をしていたところです。とりあえず、生地の仕様以外の部分でどんな特徴があるか確認するためにもう一度MIL-P-11013QMCを見ていきたいと思います。
 
まずは、1951年3月の初版MIL-P-11013(QMC)の仕様図
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左身頃すそのドローコードのトンネル端に注意
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ここのことです。
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ポケットの裏にドローコードを保持するための縫い付けがある。(M-1948とおなじ)
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別の厚生地の個体 腰のトンネルから出たドローコードはそのままアイレット(はとめ)へ向かっている。
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サイズラベルと上半身
二年前の記事では、首ラベルタグ以外に表記は見当たらないと書いたけど、フードの内側に薄くプリントがあるようにも見える(ような気がする)。あるかないか確定は保留‥
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ドローコードについては、こちらも参照
M-51パーカ MIL規格に於けるドローコードの仕様について
http://parkashell.exblog.jp/14598811/
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by poemaquince | 2012-11-26 00:11 | parka | Comments(13)

M-51PARKAサイズの謎 その3 Finished Measurementsの巻

 以前にも何度か言及し、気にはなっていたテーマなのですが、「サイズの謎その2」の記載から1年も経ってしまいました。http://parkashell.exblog.jp/13525651/
 M-51パーカの「サイズ表示」と「実際のサイズ」は、個体によりだいぶ異なる感じがあるのです。
 そこで、仕様書(mil-spec)上の表示はどのようになっているのか比較してみました。
 前回にも言及したのですが、仕様書にはサイズごとの出来上がりの寸法(身幅、着丈、そで丈だけですが)が表になっていて、完成品はそのサイズに適合することを求めています。
 以下、年代ごとにその変遷を追ってみたいと思います。

まずは、1951年3月の初版MIL-P-11013(QMC)
かなり大きいことが確認できます。
例えばXSの身幅が56インチ!平置きで半分として28インチ(約71.1cm)
着丈が42インチ(106.7cm)、袖丈が24インチ(61cm)
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さすがに大きすぎると思ったのか3ヶ月後の1951年6月には修正(amendment1)が入ります。
同じくXSで身幅51インチ平置き1/2で換算して(64.8cm)着丈41-1/2インチ(105.4cm)、袖丈23-5/8インチ(60cm)
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改版MIL-P-11013A(1952年12月)
51年6月のアメンドメント1を踏襲しています。
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60年代型MIL-P-11013D(1962年8月)
(すみません。費用の関係でB版C版ありません。しまった!円が強いときに調達しとけばよかった!)
XSで22-1/2インチ(57.2cm)、着丈41-1/2インチ(105.4cm)、袖丈24-1/2インチ(62.2cm)と身幅がだいぶ細身になりました。
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‥‥で、XS表示のある、手元に唯一ある個体を実測してみました。
身幅約62cm、着丈約100cm で、一応D以前の身幅には近いけど、うーん、着丈は許容範囲1インチなので少し短い?(その方がいいけど‥‥)洗濯で縮んだのかな。
 一見、「件のファティーグボタン」を使用したDSA60年代型なのですが・・・
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 よく見ると、肩のプリーツが残っている!D以前の移行型?のタイプ
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 サイズラベルのディテール
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 インストラクションラベルのディテール
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by poemaquince | 2012-11-23 21:58 | parka | Comments(0)

PARKA-SHELL, COTTON, O.D. M-1948

以前にやろうとした、M-48PARKAのシェル本体についてご紹介します(かれこれ半年近くまえ、梅雨になる前にと、一度トライしたのですが、「リコーキャプリオGX」の不調で、撮影した写真はおシャカになっていたのでした・・・)。というわけで、ほんと、久々のパーカについての記事になりました。

今回見ていくM-48パーカの全景
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フードを開いたところ。ファスナがだいぶうえまで上がることに注意
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フードを閉じたところ。トリムファーフードを絞るドローコードに留意 
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フード周り 右ほほ側の大型ボタン(平型)に留意
スライドファスナ(ジッパー)が、フード側まで伸びていることに注意
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フード周り(右側) ジッパー避けのウェブテープに注意
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同じくライナーを外したところ。
ライナー留めは、通常ボタンとスナップファスナ(ドットボタン)を併用している。
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パーカ背面 フード背面のドローコードに注意
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肩にエポレットはない。肩のプリーツに注意
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左上腕に付く「シガレットポケット」
M-48の特徴として、このアームポケットが挙げられるが、腕にポケットが付かないモデルもある(入手しそびれたけど)。
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腕ポケットのファスナ、真鍮製のTALON
引手の穴が半月形でなく楕円であることに注意!(40年代から楕円もあることがわかります)
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身頃を開いたところ。
M-48の特徴として(ライナーの)左胸に内ポケットが付く。
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左身頃のライナーを外したところ。
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ハンドポケットを内側からみたところ。
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M-48の特徴としてハンドポケットの裏には、ウールパイルが貼ってあります。
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この個体のインストラクションラベルとコントラクトラベル
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首にもサイズタグが付いています。(じつは、首のサイズタグはPQMDの特徴ではないかと疑っていたのですがこの個体のとおりNYQMPAの発注品にも見られました。)
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おまけ
腕の「シガレットポケット」をほぼ同時代のフライトジャケットと比べてみました(笑)。
似たようなものかと思っていたら、形は全然違いました!
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比べてみたのはB-15D(MOD)でした。
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つづく
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by poemaquince | 2012-11-19 01:05 | parka | Comments(4)

映画「高地戦」観てきました! (番外編)

チャン・フン監督「高地戦」(2011)
朝鮮戦争をテーマにした韓国の映画です。「シネマート新宿」で観てきました。
映画は1953年のソウル市街のシーンから始まります。が、すぐにカメラはDMZ停戦協定の交渉の場面に移ります。主人公のカン中尉はそこから左遷され?国軍軍事郵便の謎を防諜隊将校から調査するよう命じられ東部戦線へ送られるところからお話が始まります。
いやあ久々に納得のいく、きちんとした戦争映画です。こういう映画を観ていると、つい衣裳とかに目が行ってしまいますが、いやほんとかなりしっかりした考証で安心して見ていられました。というか、映画は大きなスクリーンにアップで映るので、M-51ジャケットのファスナの務歯(ムシ)のかたちまでみえちゃって、「あ、これクラウンじゃん」なんて思ったり、あれL型フラッシュライトが!など気が散って落ち着きません。ほんと衣裳に関してはオリジナル度高いです。で、1953年の冬なのでもちろんM-51PARKA(フード付きも!)も出てきますし、人民軍のT-34も(76だけど)それらしくできてたし(え?本物かな?→追記:T-44!かも(may2016))。浦項(ポハン)戦闘を描いた「戦火の中へ」では、草むらの人民軍が「現用戦車」そのものでがっくりしたために、今回なおさら好ましく感じたのかもしれません。
ただ、たしかに兵はM-43/50を着て将校はM-51JKTと差をつけたりはしていますが、考証的には全体に装備の質が良すぎる気もします。53年当時の国軍に、当時最新型だったはずのM-51JKTを、はたして米軍は供与したのかな?などと素朴に思ったりします。
また韓国などの戦争映画で多用されがちな、戦闘シーンの「コマ落としザラザラ加工」といった過剰な演出もなく、特に高地をめぐる白兵戦の俯瞰は、ペキンパーの「戦争のはらわた」を彷彿とさせるのでした。(あと、キャンプの少女にチョコをあげようとするシーンも、「戦争のはらわた」の後方病院のシーンを彷彿とさせたりします)
お話のテーマとしては、「トンマッコルへようこそ」のリアルバージョンといったところでしょうか。
個人的には人民軍の狙撃兵(キム・オクビン)に思い入れがありました。(←追記:味方の兵が少しずつ撃たれてくあのシチュエーションって、「フルメタルジャケット」の解放戦線女性狙撃兵のシーンだよね)


チャ・テギョン狙撃兵! かっこいー
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by poemaquince | 2012-11-03 22:37 | 映画 | Comments(8)