M-51Parkaに関する2,3の事柄

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映画「カルロス」観てきました。(番外編)

オリヴィエ・アサイヤス監督の「カルロス」
 5時間30分の長編ということで、途中寝ちゃったらどうしようと多少不安ではあったのですが、観終わってしまえば、あっという間という感じでした。面白い!
 ハリウッド的な過剰な盛り上がりもなく、むしろ淡々とお話は進みます。
 若い時は、パレスティナの解放と世界同時革命の大義による革命兵士として颯爽としている(つもりの)主人公が、やがて、歴史の流れから取り残され、「ならずもの国家」(笑)のパシリのような、ほとんどチンピラのような「闘争」や、はてはイスラム原理主義にまで取り入って生きていく。改めて考えさせられる映画ではあります。
 主人公のファロクラシー的根性や、理想主義学生を「プチブル」と罵倒する主人公本人の度し難い成金趣味などが、演出によってこれでもかと示唆されます。テロルで社会を変えようとする発想の人間はその程度の奴という告発なのでしょうか。一方で、カッコよく女子にモテまくっているように描いてもいます。この、主人公の両義性が観る者を映画に没入させるのでしょうか?・・・
 特に新鮮というか奇妙な感覚だったのが、第一部で描かれる日本赤軍のハーグ作戦(1974)や、RZ(ドイツの「革命細胞」というおどろおどろしい名前のメンバーたち)のオルリー空港エルアル機の襲撃(1975)のシーンについてです。描かれている内容とはうらはらになぜか受け取る印象が「のどか」というかコミカルに感じられるのです。当事者たちも当時の社会にとっても、深刻な事件であったことはまちがいのないこととは思いますが、やはりどこか滑稽に思えてしまうのです。演出の効果もあるのでしょう。当時、「大使館」や「ナショナルフラッグキャリア」がまだ巨大な国家体制の「象徴」で、そこを占拠したり痛打したりすることが「闘争」だったりした時代の感覚が「のどか」と感じる感想の源だったのかもしれません。
 21世紀の今となっては、当時の歴史を省みていかようにでも論評はできますし、同時代に生きていれば見えなかったことも見えてくるところもあるでしょう。そのような歴史を教訓としてしっかり学んでいく姿勢は現在においてなお求められなければなりません。
 ひるがえって現在、「日本を変革する」という勇ましい人気者たちが右から台頭しかねない憂鬱な時代となってしまいました。そんな心配が杞憂で終わることを強く願います。
 
PS:・・・↑てな事を長々書きましたが、ダメ男とそれに振り回される女たちのラブストーリーというような見方も楽しめると思います。特にエドガー・ラミレスファンの女子にとっては、たからもののようなサービスカットもあるし!その他のエロチックなシーンもテーマにそぐわず?けっこうあります。5時間30分に臆せず、気楽にみるのも一興です。

PSのPS:劇場でプログラムを買いました。登場人物対比の俳優プロフィール紹介のページに、なぜか「日本赤軍」とその俳優さんたちが完全にネグレクトされているのでした。第一部ではかなり重要なシーンになっているにもかかわらず! なにか事情でもあるのでしょうか?

↓ちょっとかっこいいフランスのHP(すこし重いけど)
http://carlos.canalplus.fr/index_en.html#
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by poemaquince | 2012-09-07 18:56 | 映画 | Comments(0)