M-51Parkaに関する2,3の事柄

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M-65PARKAナイロンキルトライナーについて(M-65の変遷その5)

M-65フィッシュテールパーカーの変遷ということで、「シェル」について4回にわたり記述してきました。前回の番外編をはさみ、今回は、M-65ライナーについて触れたいと思います。
さて、70年代初頭までのM-65パーカーのシェルは、首廻りにライナー取付用ボタンタブを4つ持っていましたが、同時代のM65ナイロンライナーが使用するボタンはそのうちの3つです。
M-65初期のシェルはM-51のライナーに対応するように造作されていましたが、M-65ライナー側にはM-51シェルに対応するような配慮は見られません。(首廻りボタンホールが3か所しかないのは、M65ライナーが軽量だったため、M51シェルにおいてもボタンタブ3つで充分保持できたということでしょうか?)
また、60年代後半においてもM-51型のライナーの生産が確認されます。M-65のシェルにM-51ライナーを付けることは、かなりポピュラーなことだったということでしょうか?謎です。



60年代のキルトパターンが密なもの(右)と70年代以降の通常型との比較
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69会計年度のLINER PARKA MAN’S NYLON QILTED OG-106のタグ
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73会計年度のLINER PARKA,EXTREME COLD WEATHERのタグ
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上記ラベルの個体2点の全景
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(おまけ)
いわゆる「ナイトデザートカモパーカー」のライナー(左)との比較
ネット通販とかで、あたかもM-65などと共用できるような販売をしてるサイトがありますが、ご覧のとおり型(パターン)が全く異なります。(特に前合わせの中心位置と肩との関係) ライナー用ボタンを付け直してなんとかなるかな?といったレベルです。(手間を考えればM-65用ライナーを探すことをお勧めします。)
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by poemaquince | 2011-10-18 22:42 | parka | Comments(0)

Wehrmacht Heerの意匠 Splittermuster31と Sumpufmuster43との比較(番外編)

4回に亘ってM-65パーカの変遷について言及してきましたが、オリーブグリーン107の同じような写真ばかり並んでしまい、さすがにモッズパーカ好きであっても辟易してしまいそうです。
そういうわけで気分を変えて、今回の番外編は、以前ご紹介した大戦中のドイツ迷彩アノラックを例にカモフラージュパターンについて考察してみました。(って話題もマニアックなのですが・・・)
以前、どこかで、軍用迷彩柄生地の実用化はイタリア(のテント生地)が最初で、ドイツのツェルトバーンの破片柄迷彩もそのパターンをこっそり踏襲していた?ということで、パターンが類似しているという比較写真があったのですが(出典が思い出せず確認できないのですが、1929年のイタリアンパターンのうねうねとドイツのスプリンター(破片迷彩)パターンのカクカクの配置がたしかに一致しているのでした)、ならばその意匠はドイツ陸軍の破片迷彩柄と沼沢地柄とも共通しているのではないかと考え、手元のSplittermuster31と Sumpufmuster43を並べて比較してみました。

で、上が沼沢地柄43で、下が破片柄31の比較写真
上段のグリーンの部分と下段こげ茶色の部分、上段のレッドブラウンの部分と下段の緑色の部分がそれぞれ対応し、形が一致していることが分かります。
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おまけの写真、アノラックの全景
右が沼沢地柄43リバーシブルアノラック、左が破片柄31アノラック
ボタンは右が通常の金属製ボタン(ダークグリーンのペイント)、左は黒のベークライト製
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追記:背中の広い面積でみるとローラーパターンによる反復模様が確認できます。
また、沼沢地柄の背中中央の柄が、上の写真の破片柄のおなかの辺の柄に対応していることが観察できます。
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by poemaquince | 2011-10-10 02:02 | 番外編 | Comments(0)

M-65PARKAの変遷(その4) ディテールの変化

さて、いままで、サイズラベル、ライナー用ボタンタブ、インストラクションラベル等について見てきたわけですが、今回はその総括?ということで、その他の外観上のディテール変化について観察していきたいと考えます。
(1950年代の製品であるM-51と異なり、60年代に入ってからは、製品のヴァリエーションと生産時期に明らかな相関がみられます。またこれは、M-65パーカに限らず、フィールドジャケットや、ジャングルファティーグでも同様のことは皆さんご承知のとおりです。)


68会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
MASON & HUGHES,INC.
PARKA, MAN’S, ARCTIC, M-65の全景
アルミジッパー、生地と同材質のコートハンガーループ、ライナー用ボタンタブに留意
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70会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
SPORTSMASTER,INC.
基本的にDSA68を踏襲しています。この個体は「いわゆるファティーグボタン」
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71会計年度のM-65 (PARKA,EXTREME COLD WEATHER)
ALPHA INDUSTRIES,INC.
サイズラベルは、PARKA,EXTREME COLD WEATHERの表記
その他は基本的にDSA68を踏襲、スライドファスナーはスコービルのアルミ!
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72会計年度?のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
DPSC.DIR.OF MFG
新表示のインストラクションラベル、「M-65」の記載が完全消滅
写真では分かりにくいのですが、ウエストドローコード用のアイレット(ハト目)補強用ウエブテープがナイロン化しています。また、スライドファスナは、スコービルの真鍮?黒色仕上げ、ライナー用ボタンは平型!
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73会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
WYNN INDUSTRIES,INC
ライナーボタンタブがついにナイロン化、ただし数はまだ4つ
右胸に補強用コットンウエブテープ、簡略タイプの裾、真鍮ジッパーなどほぼ最終型の特徴を備えます。
ただし、ハンガーループなどは生地と同じタイプで、ラベル位置も背中と裾のセパレートタイプ
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74会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
VANDERBILT SHIRT CO.,INC
ライナー用ボタンタブが4つから3つに減ったほかはDSA73を踏襲しています。
写真では右胸ウエブテープは付いていませんが、外した跡が確認できます。標準で付いていたものと思われます。裾は簡略タイプ、ブラスのフロントファスナ(=真鍮のジッパー)
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約10年後、83会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
CARBON HILL MFG.CO.,INC
すでにサイズラベルとインストラクションラベルが一体化しています。
ハンガーループの材質に変化が見られます。
またウエストポケットの造りも簡略化されています。
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簡略化した裾のループトンネルの仕様
下が簡略版
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ハンガーループ
上がDLA83
下はDPSC72
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ウエストポケット 縁の処理に注意
上 従来のもの
下 簡略化したもの(DLA83)
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by poemaquince | 2011-10-01 16:24 | parka | Comments(8)