M-51Parkaに関する2,3の事柄

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M-65PARKAの変遷(その3)インストラクションラベルについて

 一般にE.C.W.PARKAといえば、80年代後半に登場したウッドランドカモフラージュのゴアテックスパーカのイメージがあると思われます。(ゴアテックスパーカの E は、extended・・拡張型・・の E で、エクステンディド・コールド・ウェザーです。)
 ややこしいのですが、フィッシュテールの「M-65パーカ」に対しての呼称E.C.W PARKA(エクストリーム・コールド・ウェザー)については、すでに70年代前半より用いられていたことはすでに見てきたとおりです。

 さて、今回は右裾についている「インストラクションラベル」の変遷についてです。詳しく見ると、年代により表現が微妙に変化していきます。(どうでもよいと思われるような変更もあるのですが・・・)
 また、M-51時代にZIPPER(商標)からSLIDE FASTENER(一般名称)に修正された単語について、再び復活(6)しています。しかも別項(9)ではSLIDE FASTENERも併用されているではありませんか(笑)(80年代DLAになってもこの表記は直っていません!)たまたま担当した職員のセンスにもよるのでしょうが、MIL-SPECといえども厳密なようでいてそうともいいきれないところもあったりします。

68会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
MASON and HUGHES,INC.
PARKA, MAN’S, ARCTIC, M-65
M-65と明確に謳っています。
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70会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
SPORTSMASTER,INC.
DSA68を踏襲しています。
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71会計年度のM-65 (PARKA,EXTREME COLD WEATHER)
ALPHA INDUSTRIES,INC.
前々回の「その1」で言及したサイズタグは、PARKA,EXTREME COLD WEATHERの表記なのですが、インストラクションラベルは旧表記のままです。移行期の在庫をそのまま使ったというところでしょうか。
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72会計年度?のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
DPSC.DIR.OF MFG
新表示のインストラクションラベル
標記がPARKA,EXTREME COLD WEATHERとなって、M-65の記載が消滅しています。
また、パーカの裾を指す「スカート」の表記(4・5)も消え、「ボトム」(4)や「大腿廻りのドローストリングス」(5)と言い換えられています。
洗濯手順(10)については、全面的に書き換えられ、「Quarpel(米軍の撥水生地)衣料の取扱手順に従え」となってしまいました。
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73会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
WYNN INDUSTRIES,INC
E.C.W.PARKA72年度版に次の一文が追加されています。
(10)「洗濯するときはスライドファスナーを閉じなさい」(笑・・・いやたしかに大事です!)
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74会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
VANDERBILT SHIRT CO.,INC
DSA73を踏襲しています。
追記:・・・と思いきや項目10の最終行launderingがlaunderedに修正されていました(!)。他にも探せば異なる点があるかも知れません。
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83会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
CARBON HILL MFG.CO.,INC
サイズタグと一体化し、ラベル位置も背中に移ってます。インストラクションの表記はDSA73から変更ありません。(追記:正確にはDSA74から、しかもぱっと見なので、もしかしたら細かい変更あるかも・・・)
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by poemaquince | 2011-09-25 16:04 | parka | Comments(0)

M-65PARKAからPARKA,E.C.Wへ(その2)

M-65PARKAの変遷についてシリーズその2、今回は首廻りについている「ライナー用ボタンタブ」の変遷についてです。70年代初頭!までは、M-51ライナーが取り付け可能なように、ボタンタブが4つ付いています。さすがに70年代後半にはM-51対応は省略されたみたいですが・・・それが概ねいつごろなのかは今回ははっきりしませんでした。多分74年度以降と思うのですが・・・(追記:・・・と思ったらDSA74持ってました。以前撮ったタグの写真なので、今度引っ張り出してシェルを確認します。追記の追記:DSA74のライナータブは3つでした。74年でほぼ切り替わったと考えられます。)

68会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
MASON and HUGHES,INC.
シェルと同材質のコットンナイロン製ライナー取付用タブに平型ボタン
タブの数が、4つあることに留意
(一番右のタブボタンは、M-65用ライナーでは使用しない。)
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70会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
SPORTSMASTER,INC.
シェルと同材質のライナー取付用タブに「いわゆるファティーグボタン」
タブの数は4つ
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71会計年度のM-65 (PARKA,EXTREME COLD WEATHER)
ALPHA INDUSTRIES,INC.
シェルと同材質のライナー取付用タブに「いわゆるファティーグボタン」
タブの数は4つ
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72会計年度?のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
DPSC.DIR.OF MFG
この個体は、平型ボタンを使用(タブの数は、4つある・・・写真に写ってないけど)黒色仕上げのスコービル真鍮ファスナに留意
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73会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
WYNN INDUSTRIES,INC
ライナー取付用タブがナイロン製に変更、ただしタブの数は4つ
(サイズタグが黄色いのは塗料付着のため。)
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83会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
CARBON HILL MFG.CO.,INC
M-51ライナー用に4つ造られていたライナー取付用タブは、さすがに3つに減らされています!
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by poemaquince | 2011-09-19 00:04 | parka | Comments(0)

M-65PARKAからPARKA,E.C.Wへ(その1)

昨年だったか、愛用していたリコーのカメラが突然機能停止してしまいました。修理の価格より安価で新品のカメラが買えてしまうので、ソニーのコンパクトカメラを買いました。電子スペックでは新しいカメラの方が数倍うえなのですが、写真そのものの質感は前者の方が良い気がします。やはり修理して使うべきだったのか?付喪(つくも)の神さまに叱られそうです。
さて、当ブログの初期の頃(2010年1月)に少しだけ言及したM-65PARKAの変遷について、再度整理して記述したいと思います。
まずは、サイズタグの変遷について
68会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
コントラクターはMASON and HUGHES,INC.のM-65 PARKAサイズタグ
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70会計年度のM-65 (PARKA,MAN’S,M-65)
コントラクターはSPORTSMASTER,INC.のM-65 PARKAサイズタグ
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71会計年度のM-65 (PARKA,EXTREME COLD WEATHER)
コントラクターはALPHA INDUSTRIES,INC.のサイズタグ
M-65の表記が消え、PARKA,EXTREME COLD WEATHERの表示になっていることに注意 ただし、裾のインストラクションラベルの表示はM-65のまま
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72会計年度?のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
DPSC.DIR.OF MFG(DefencePersonnelSupportCenter.DIR.OF MFG? )はDSA(Defense Supply Agency)の外郭企業ではないかと思うのだけど詳細は分かりません。サイズ表記にNATO SIZEを併記していることに注意
M-65の呼称は完全に消滅
この個体は、平型ボタン、黒色仕上げのスコービルジッパーに特徴あり
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73会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
コントラクターはWYNN INDUSTRIES,INCのPARKA,E.C.W
サイズタグが黄色いのは塗料付着のため。NATO SIZEも標準併記
(↓ちらっと写っている)ライナー用ボタンタブのナイロン化に注意
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83会計年度のPARKA,EXTREME COLD WEATHER
コントラクターはCARBON HILL MFG.CO.,INC
サイズタグとインストラクションラベルの一体化が行われている。
70年代初頭までのモデルと比べ、シェル細部の造りが大きく異なっている。
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追記:74会計年度のパーカがありました。
VANDERBILT SHIRT CO, INC.
サイズタグは、PARKA,EXTREME COLD WEATHERの表示です。以前撮った写真なので、シェル本体を次回確認したいと思います。
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この項つづく
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by poemaquince | 2011-09-14 22:47 | parka | Comments(0)

M-51parkaサイズの謎その2  リサイズは何故おこなわれたのか?

「ミルスペック」といえば、何やら男子用「ギアアイテム」や、「男の」お洒落着の販促演出用語として一般的となってしまいました・・・が、ありていに言ってしまえば役所の調達入札仕様書です。ですので、製品の基本仕様はもとより、製造手順、検査、荷姿などについても記述されています。
さて、2010年2月3日付の「M-51 parka サイズの謎」でも言及しましたが、比較的初期に生産されたと思われるPARKAの相当数の個体に、サイズの修正が施されている(フード内側のサイズ表記の上から修正したサイズタグを縫い付けている)ことが確認できます。そしてそれらの個体は、身幅こそ修正されているのですが、肩幅はもとの大きいままで、修正されている様子がないのです。なぜそのような運用をしていたのか?このリサイズについて前回は謎が謎を呼んだ状態でおわりました。
実はミルスペックMIL-P-11013仕様書の項目にその原因があるのではないかと推測しています。

たとえばMil-P-11013Aの例
3.9 Finished measurements. ---The parka shall conform to the finished measurements as shown in table II.
3.9 仕上がり寸法
パーカは、第二表に示されるの仕上がり寸法と一致させること。


そして、第二表では、XSからXLまでのサイズの寸法が何インチ必要かを表で示しています。また、サイズ長短の許容範囲をそれぞれ身幅+-3/4インチ、着丈+-1インチ、袖丈+-3/4インチとしています。
ところが、その寸法は、「身幅」「着丈」「袖丈」について定めているだけで「肩幅」については 定めがありません。記述者(川村)には、肩幅はわざと第二表から外したのではないかと思えるのです。
そのことにより、仕上がりの検査を受けた個体の丈が若干短かった場合など、身幅を細くして、サイズをワンランク下げ、ワンサイズ下の「仕上がり寸法」にしていたのではないか、と推測するのです。本来ならば不合格にするところ、ともかく大量調達を優先していたと推測される51年から52年にかけてはそのような運用であったのではないかと考えています。
(追記:裾や身幅の修正は、比較的簡単にできますが、肩幅までいじると始めから作り直すのと手間が変わらないから・・・ということではないかと思います。oct2011)


MIL-P-11013Aの第二表(TableII)ほか
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by poemaquince | 2011-09-09 00:38 | parka | Comments(2)