M-51Parkaに関する2,3の事柄

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M-1948Parkaとの比較

M-51パーカの「初期ディテール」を特徴づけるものとして、M-1948パーカとの共通性を挙げることができます。(ただし、クラウンのジンクファスナを持ったM-48もあるようなので、あくまで相対的な「初期」ということなのですが。)
追記:以下で比較するM-1948パーカーとM-1951パーカーの類似については、生産時期が近接していることが推測できることのほか、同一の受注メーカーのプロダクトということでディテールが共通しているとも推測できます。したがって、「「初期ディテール」を特徴づけるものとして、M-1948パーカとの共通性云々」という表現は(自分で書いておいてなんですが)すこし説明不足な書き方でした。



M-1948パーカと共通するディテールを持つM-51パーカの一例(事例はサテン織の厚生地のタイプです。)
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襟にサイズタグ(この個体については残念ながらこれ以外にインストラクション/コントラクトラベル等は見当たりません。ラベル縫付の跡なども見当たりません。)
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TALONの真鍮製ファスナと、M-48と共通する大型スナップドットボタン(通常のM-51のスナップボタンと比較してひとまわり大きい。)
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フィッシュテール部の比較 上がM-48
大型スナップボタン、太めのコードなどが全く共通している。
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スライドファスナの比較
右がM-51 引手の「短さ」も共通している点に注意
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袖の比較
右がM-51
M-48の袖は1枚布を筒状に縫い合わせたもののため、M-51(以降)のような腕のカーブシルエットが見られない。 
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比較に使用したM-48
フードのファーは、ヌートリア?
M-51(以降)と比べ、前あわせのセンターの位置が右手(向かって左側)に寄っていることに注意
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M-48の袖のボタンは2カ所
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M-48内側(ライナー付き)
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M-48 背面
アームホールがかなり太いことに注意
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by poemaquince | 2010-04-04 18:48 | parka | Comments(0)

M-51 parka の生地にいついて

 M-51parkaの代表的な生地について、いくつかのバリエーションが確認できます。代表的なものとして、厚手のコットンサテン地、薄手のコットンナイロンオックスフォード地などが挙げられます。また、表示が無いので確認はできないのですが、見た目「コットン製の平織」だろうと思われるものも存在します。
世間?では一般に前者を初期型、後者を後期型と呼んでいたりします。
生地について、シェル本体のラベル表示で明らかな記載のあるものとしては、DSAナンバーを振られたいわゆる「60年代型」M-51がありますが、それ以外のシェルの表示で直接材質等を表示しているものを(寡聞ゆえか)見たことがありません。(写真)
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一方、ファーフードには、「アウターマテリアル コットン アンド/オア ナイロン」(外側素材、コットンナイロンまたはナイロン)などという記載などが見られます。(写真)(今回の写真はコットンサテン地の「初期生地」仕様のフードにプリントされた例ですが、もちろん薄生地コットン/ナイロン仕様のフードにも同一文面が確認できます)
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シェルの生地について、どのような仕様を規定していたのかMIL-SPECのヒストリカル版ででも確認できればすっきりするのですが、残念ながら記述者(川村)は入手/確認できておりません。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら是非ご教示いただけたらと思います。

 さて、そのような事情のため、推測の域をでない話をさせていただきます。コットンサテン地のタイプは、いわゆる初期型と呼ばれています。M-1948から連なる生地(厚手のサテン織り)のタイプなので確かに初期採用と推測するのが自然です。また、薄生地(コットン/ナイロンの平織)も、厚手生地が重く動きにくいため、改良されて薄くなったという流れにも思えます。
 しかしながら、前述したフードの素材についての表示や、以下の個体の観察等から、薄生地(コットン/ナイロンの平織)についてもM-51生産の初期から採用されていたのではないか?と推測しています。従って従来、生地に着目して「初期型」「後期型」と区分して呼ばれていたことについて見直さなくてはならないのではないかと考えるのです。

 袖の大型ボタンについて、後期によく見られる「厚型」ボタンが採用されている、「初期型生地」の個体(写真)の例
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「サイズの謎」の欄で言及した、リサイズされている「初期型生地」(写真上)の例も観察されたりします。リサイズはシェルの「初期型」「後期型」の生地にかかわらず、存在しています。このことも厚手生地、薄手生地が並行して生産されていたことを示唆するものと考えます。

 「後期型」(薄生地コットン/ナイロン)のリサイズの事例、mil-specナンバーP-11013Aに注意
(スタンプより1953年以降のプロダクトであることが確認できます)
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 このようなことなどから、じつは「厚生地タイプ」の採用は、初年度だけでなく、数年にわたって生産されていたのではないか?と推測しています。ただし、「厚生地タイプ」ではMIL-SPECのナンバーは、P-11013しか確認できていません。


 コットン/ナイロンの薄地のタイプ、いわゆる「後期型」と呼ばれるものについて、一般的によく見られる仕様としては、「厚い」タイプの袖の大型ボタン、フード部分へのインストラクション等のラベルスタンプ表示、フロントファスナはコンマーのアルミ素材、クラウンのジンク素材などです。
 しかしながら、個々の個体については、やはりファスナ、表示ラベル、袖ボタン等のヴァリエーションが見られます。単なる製造メーカーによる仕様の違いなのか、生産時期の違いを示すものなのかはっきりしませんが、1951年の段階で厚地、薄地両方のプロダクトがあったとしてもおかしくはないのではないかと推測しています。

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コットン/ナイロンの薄地のシェルで、旧タイプのサイズタグ、袖の薄型ポタン、ポケット裏のインストラクションラベルを持った個体
(フロントファスナはコンマーのアルミ)上1枚と下3枚の写真は同一個体のもの
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コットン/ナイロンの薄地のシェルで、旧タイプのサイズタグ、タロンの大型真鍮ファスナ、袖の薄型ポタン、ポケット裏のインストラクションラベルを持った個体
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薄生地の製品についてはMIL-SPECのナンバー、P-11013またはP-11013Aが良く観察されます。

なお、MIL-SPECの変遷については、
http://milcloe.info/database/MIL-P-11013.html
を参照いたしました。

追記:本稿において提起したかったことは、現在、シェルの生地に着目して一般的には「初期型」「後期型」等を分類しているが、はたしてその分類・呼称方法が有効かどうかを再検討する必要があるのではないかということでした。みなさんのご見解をお待ちしております。
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by poemaquince | 2010-04-04 12:32 | parka | Comments(0)