M-51Parkaに関する2,3の事柄

カテゴリ:M-1( 11 )

二次大戦期のM-1ヘルメット(シェル編)その2

 前回、マッコードラジエーターカンパニーのシェルについて概観したところですが、ブログ写真の枚数制限のため、マッコードのフィクスドベイルについては、「その2」まわしになってしまいました。シュルターのものと一緒に考察していきたいと思います。

 前回も述べましたが、大戦中のマッコード製シェルの外観については、リムの合わせ目の位置(フロント/リア)の違い、チンストラップループの形状(固定/可動)の違いにて大まかな生産時期が推定できます。
 その期間と、ネット上に公表されているロットナンバーと生産時期の対比チャートを対照させてみようという試みです。

the McCord Radiator and Manufacturing Company
781A
フロントシーム フィクスドベイル
リペイント
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チャートによる生産時期は、1943/12頃?
1943年10月頃には、ストラップのベイルはスイベルベイルに切り替わっているようなので、ヒートスタンプ700番台の後半にフィックスベイルは時期的に苦しいかも。リペイントもされているのでフィックスベイルは後付けの可能性もあり。ただしチャートの精度や当時の運用にもよるため、2ヶ月くらいの差をもって「後付け」との断定もできないと考えます。
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マッコードのヒートスタンプナンバーとその生産時期?の対応表をSchutze600さんからご教示いただき、引用させていただいています。正確な出典は不明ですが、War Relics Forum  http://www.warrelics.eu/forum/us-m1-steel-helmet-forum/fixed-bale-front-seam-what-have-i-got-512634/ を参照いたしました。
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The Schlueter Manufacturing Company(1942年6月〜)
シュルター社製のシェル
リアシーム スイベルベイル
オリジナルペイント
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548
S
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生産数は、マッコードの10分の1くらい(それでも200万個)のはずなんだけど、バイザーの裏側に独特の「S」の刻印があるので判りやすいです。
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マッコード(右)とシュルター(左)のシェルを並べてみました。
シュルターのほうが、バイザー部分のRが緩やかなようです。
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by poemaquince | 2016-12-20 07:54 | M-1 | Comments(0)

二次大戦期のM-1ヘルメット(シェル編)その1

 記事「デッドコピーのM-1ヘルメット?」http://parkashell.exblog.jp/21029100/ のコメント欄にて、Schutze600さんから投稿があり、シェルの刻印にいついていろいろとご教示をいただきました。そのことを手がかりに、いままでほとんど見当のつかなかったシェルの刻印について、確認をしてみたわけでした。まずべトナム戦期のシェルについて二回にわたり観てきたわけですが、今回は、二次大戦期のM-1ヘルメッットシェルについてみてみましょう。ロットナンバーの刻印(ヒートスタンプ)の場所を付箋にて示しています。

the McCord Radiator and Manufacturing Company (1941年6月〜1945年8月?)
以下、マッコード製のシェルについての考察です。
大戦中のマッコード製シェルの外観については、リムの合わせ目の位置(フロント/リア)の違い、チンストラップループの形状(固定/可動)の違いにて大まかな生産時期が推定できます。

正確な出典は不明ですが、マッコードのヒートスタンプナンバーとその生産時期?の対応表をSchutze600さんからご教示いただきました。今回はそのチャートをもとに大まかな生産年を推定しています。(画像枚数の上限のため、表は次回に)

_19A
フロントシーム スイベルベイル
リペイント
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最初のケタの刻印がはっきりしないので、二ケタ数字か?とも考えましたが、フロントシームであってかつ、スイベルベイルなので、1943/10〜1944/11の間の生産と思われます。
従ってヒートスタンプのロットナンバーは600〜1000の間になるはずなんだけど、どうなのだろうか??
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837E
フロントシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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1944/03頃
レイノーザ(M.A.Reynosa: The M-1 Helmet a history of the U.S.M-1 helmet in W.W2/Schiffer1996)によれば、フロントシームは1944年11月頃まで生産されていたようなので、チャートの時期とも矛盾しません。
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10_6G
フロントシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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チャートから生産時期を推定するとロットナンバーは106ではなく2ケタ目が抜けている(10*6)と推測されます。

1195D
リアシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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1945/03頃
ロットナンバーとシーム、ベイルに矛盾はありません。

1262D
リアシーム スゥイベルベイル
オリジナルペイント
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1945/06頃
ロットナンバーとシーム、ベイルに矛盾はありません。


以上は、マッコードラジエーター社製シェルについてでした。
つづく
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by poemaquince | 2016-12-18 21:33 | M-1 | Comments(0)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編その2)

「べトナム戦争期のM-1ヘルメット」シェル編その2として、通常兵用と空挺兵用について見ていきたいと思います。
といっても、シェル本体の造りに違いは無く、シェルにつくチン・ストラップのみ仕様が異なります。
通常のチンストラップと比較して、シェルとの固定用ドットボタン(スナップファスナ)のスタッド(凸)がついたものが空挺兵用になります。詳細は写真をご覧ください。

右が空挺タイプ
左が通常タイプ
空挺タイプのスナップファスナ(ドットボタン)に留意
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チンストラップの比較
右が空挺タイプ
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空挺タイプのチンストラップ
スナップファスナのスタッドが良く解る。
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通常タイプのもの
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チンストラップのバックル
刻印の状況に留意
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バックルのうちボールリリースフックの無いものとの比較
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バックルにフックを掛けたところ
ボールリリースシステムありとなし、それぞれの違いに留意
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今回のシェル
McCord(マッコード)製
1965年4月のコントラクトと思われるもの。
刻印は「M 326 C」
明るいカーキドラブ色にリペイント?
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同じく刻印部のクローズアップ
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空挺用チンストラップのついたシェル
推定でParish(1968-69)もしくはR.J.Stampings(70-76)
刻印は「7371」
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プレフィックスの無い4桁の刻印、字体や大きさも前回の「8924」と異なる。
刻印の場所にも留意(付箋側がシェルの下側になります)
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by poemaquince | 2016-11-05 20:11 | M-1 | Comments(2)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット(シェル編)

 昨年5月に「べトナム戦争期のM-1ヘルメット」入門編として、まずライナーの解説から始めてみたわけですが、シェルについては不明な点が多く、入門編として解説するには至っておりませんでした。そんな中、先日、記事「デッドコピーのM-1ヘルメット?」http://parkashell.exblog.jp/21029100/ のコメント欄に、Schutze600さまから投稿があり、その中でシェルの刻印にいついていろいろとご教示をいただきました。そのことを手がかりに、いままでほとんど見当のつかなかったシェルの刻印について、さっそく確認をしてみました。この場をお借りして改めてSchutze600さんに感謝の意を表したいと思います。
 では、具体的に見ていきましょう。刻印(ヒートスタンプ)の場所を付箋にて示しています。

McCord(マッコード)製
1965年4月のコントラクトと思われるもの。
刻印は「M 333 B」
明るいオリーブグリーン色に留意
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同じく刻印部のクローズアップ
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Ingersoll製(推定)
刻印は、「 I - 9071」
マッコードが”M”のプレフィックスをもっているのならば、" I "はIngersollと推定される。
Ingersollのコントラクト、65年4月、6月、12月、66年3月、7月、67年4月のいずれかと思われる。
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同じく刻印部のクローズアップ
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Parish(1968-69)もしくはR.J.Stampings(70-76)
刻印は「8924」
プレフィックスの無い4桁の刻印、字体や大きさも異なる。
刻印の場所にも留意
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刻印部のクローズアップ
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同じく、「8924」の刻印であるが、こちらは2カ所に刻印
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刻印部
うちひとつは「上下反転」していることに留意。
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シェルの外観
60年代より、シェルの色が「明るいオリーブグリーン」に変更された。
手前左より「マッコード」「インガーソル」
後ろは、それぞれ「8924」「8924」(「パリッシュ」または「R.J.スタンピングス」と思われる)
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大戦型のシェルとの色調の比較
手前左よりべトナム戦「マッコード」「インガーソル」「8924」
うしろ奥左から「マッコード」「マッコード」「シュルター」
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大戦型シェルの刻印についても近々ご紹介したいと思ってます。
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by poemaquince | 2016-10-31 00:03 | M-1 | Comments(4)

DPSC DIR. OF MFG.製のミッチェルカバー(1964〜65?)

 今回の、DPSC製ミッチェル柄のヘルメットカバーの記事は、じつは前回の、ベトナム戦争期のM-1ヘルメット(ヘルメットカバー篇)の記事を分割したものです。
 前回の記事に沢山の話を突っ込んでしまい、時代や話が入り組んでややこしくなってしまったため今回分割させていただきました。なので、もうこの話は前回読んだよ!という方もいらっしゃると思います。すみません、今回のテーマ、今後もなんかややこしくなりそうなので(話が発展しなかったら済みません)、項を改めさせていただきました。
というわけで本文です。

 M-1ヘルメットの権威レイノーザ氏の書籍"Post-ww2 M-1 HELMETS an illustrated study"や、USミリタリアフォーラムの投稿、あるいはこのフランスのウェブページ
http://www.world-war-helmets.com/annexe.php?q=Les-marquages-des-couvre-casques-du-casque-M-1

 によれば、このカバーは。1964〜65年製ということなんだけど、真ん中の深い切れ込みからみても、もっとあとの生産に思えてならないのだけど。
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コントラクトスタンプのクローズアップ
コットンダック生地 コントラクトNo7219 DPSC DIR. OF MFG.
 そもそも、DPSC(ディフェンスパーソネルサポートセンター)って、60年代中盤からあったのだろうか?
 追記:USウィキペによればPQMD(フィラデルフィアクォーターマスターデポ)の再編によりDPSC1965年〜、98年にDSCP(ディフェンスサプライセンターフィラデルフィア)に改変とのこと
60年代中盤にはあったということが確認された。
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 ・・ていうか、よくみたらこちらでも論争http://www.usmilitariaforum.com/forums/index.php?/topic/80042-mitchell-cover-contract-list/ している様子です。(英文なので詳しく分からないのですが、あとでグーグル先生にかけてみます)
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by poemaquince | 2015-09-27 22:00 | M-1 | Comments(0)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット その4(ヘルメットカバーの巻)

 ベトナム戦争期のヘルメットカバーといえば、もう「ミッチェルパターン」が定番なんだけど、レイトウォーにはERDL柄も結構観察されます。また、初期のUSMC部隊ではダックハンター柄も利用された様子です。
 ところで、この「ミッチェル柄(MITCHELL PATTERN)」という呼称について、その語源をどなたかご存じないでしょうか? というのも"ERDL"については、一次資料でその呼称が確認できるのですが、当該柄については浅学ゆえ確認できておりません。また、先に言及させていただいたMark A. Reynosa氏の"Post-ww2 M-1 HELMETS an illustrated study"(1998)においては、当該の迷彩に対してミッチェルパターンという呼称を使用せず、リーフパターンと呼んでいます。また、Kevin Lyles氏の ”VIETNAM :US UNIFORMS in colour photographs”(1992) においても、当該柄ヘルメットカバーについては「リーフパターン」と呼んでいます(ところが、別ページのハーフシェルターテントは”ミッチェル”パターンと紹介しているのですが) 。いやはや、あの柄がなぜ「ミッチェル」なのかご存知のかたいらっしゃいましたら是非ご教示いただけたらと思っています。

 では、写真を見ていきましょう。
(ベトナム戦争期の写真は、「USミリタリアフォーラム」「ヴェアマハトアワーズコム・フォーラム」などへの投稿写真を引用させていただいています。)

極初期のミッチェルパターン(1959年)
シェルのチンストラップ用に、カバー中腹に穿孔してあることに留意
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コントラクトラベルのクローズアップ
生地はコットンダック
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サテン織りのミッチェルパターン(1965年)
以前、DMZさんのページでhttp://armyshade.exblog.jp/19888281 サテン(朱子織)であることが指摘されております。その見解に賛成です。
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コントラクトスタンプのクローズアップ
サテン生地の織りに留意
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ポピュラーな後期型カバー(1969年)
後期には真ん中の切れ込みが深くなり、カバーに穿孔しなくともチンストラップが干渉しなくなっていることに留意
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コントラクトスタンプのクローズアップ
コットンダック生地 DSA69
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上のミッチェルカバーとほぼ同時期の「ERDL」迷彩(1969年)
色調はトーンを抑えたナティックラボ系
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コントラクトスタンプのクローズアップ
コットンダック生地 DSA69
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レイトウォーでのERDLカバー
写真のキャプションでは1971年(あまりにかっこいい共和国パッチで、まさか後世のコスプレ写真ではないでしょうねぇ)
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USMC「ダックハンター」カバー(たぶん50年代)
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この個体にはコントラクトの記載が見当たらない。
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ところで、ヘルメットカバーって80年代のコレに似てなくね?
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by poemaquince | 2015-09-22 16:07 | M-1 | Comments(2)

ポストべトナム戦争期のM-1ヘルメット (M-1ライナー最終型)

 いやもうホント、このブログ立ち上げた当初は、モッズパーカに限定したテーマでずーっとやってくつもりだったのでした。なんといっても「M-51parkaに関する2、3の事柄」(笑)ですので。ところが「ズンフミュスター迷彩」で番外編としてドイツ軍のアノラックに言及しちゃったことでタガが外れ、3.11の原子力災害と、排外デモ、そしてアレ政権の登場でとてつもなく危機感を募らせて時事関係に言及してしまい、もう、とうとう「ポストべトナム装備」まで(笑)、ほんとはM-51関係もまだ謎が一杯なんだけど、なかなか調べが進みません。

 そんなこんなで、ポストべトナム装備(といっても登場はレイトウォーの72年だけど)の最終型M-1ヘルメットライナーは、クレードル型サスペンションまで全てはずすことができるので、ヘルメットライナーの構造も解りやすいと思います。「入門編」としてご紹介したいと思います。

ライナー本体と、内装パーツ一式
上から時計回りに、ライナー本体、ネックバンド、クレードル型サスペンション、ヘッドバンド
本体内側に見える、ネックバンド取付け用の黒い四角バックル(3カ所)に留意
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本体のバックルに、ネックバンドのストラップを通して取付けを行う。
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本体にサスペンションを取付ける。
本体側の円形フックに、クリップを差し込んで固定する。
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「クレードル型」サスペンションを取付けたところ
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頭囲のサイズに合わせたヘッドバンドを、クリップでサスペンションのテープに固定する。
できあがり
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(追記:写真間違えてました。差し替えました。)
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by poemaquince | 2015-09-08 22:10 | M-1 | Comments(0)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット その3(USMCのダックハンターモスキートネット)

 ダックハンター柄のこのヘルメットカバー(っていうか防虫ネット)、「えっ、ベトナム戦争期?太平洋戦争じゃね?」とご指摘される方もいらっしゃると思います。ご指摘の通り、第二次大戦から海兵隊が使用している装備になります。朝鮮戦争ではあまり使用例はみられません(気温が低くてそんなに虫に悩ませられなかった?)でしたが、べトナム戦争期の写真ではそこそこ観察されるアイテムになってます。大戦中に大量生産したデッドなストックを、「それっ」と支給したもののように思えてなりません。QMのIDスタンプ類なども見当たらないので詳細は不明なのですが、USミリタリアフォーラムや、ヴェアマハトアワーズコムのフォーラムなどでは一部非官給品説も有ったりします(そうは思えませんが)。
 では、写真を見ていきましょう。
(以下、紹介するベトナム戦争期の写真は、「USミリタリアフォーラム」「ヴェアマハトアワーズコム・フォーラム」などへの投稿写真を引用させていただきました。)

ローカルメイド?のラバーバンドに留意
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ケサン陣地(だっけ?)の海兵隊員
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一見、朝鮮半島の風景にも見えるけど背負ってる装備からやっぱりベトナム(と思う)
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海兵隊モスキートネットの全景
非常に薄いコットンの帽体とネット状のスクリーンによって構成される。帽体部分は非常に薄いため破れ易い。(ボロボロの写真も見られます)
ネットのしたには4が所のリボンが縫付けられ結べるようになっている。
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ヘルメット装着例
ネット部分はシェルの中へ折り込んでライナーをはめたけど、シェルとライナーの組み合わせによってはネットを切らないと上手くはいらない場合も有りそうです。
ちなみにチンストラップを通す穴はもともと無いので、ネットカバーを適宜裂いて通してみました。
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モスキートネットでない通常のダックハンターヘルメットカバーの例
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by poemaquince | 2015-09-05 00:47 | M-1 | Comments(2)

べトナム戦争期のM-1ヘルメット その2(ライナー篇のつづき)

 今年5月にべトナム戦争期のM-1ヘルメット入門(ライナー篇)を始めてはみたものの、自分自身が、ライナーの変遷をよく理解していなかったため、中途半端な紹介記事となってしまいました。今回、不十分ながら再度整理して、大戦後のM-1ヘルメットライナーの変遷をとりまとめてみようとおもいます。
 特に注意されたいのが、60年代の一時期、「M-1ヘルメットライナー」の二つの仕様が同時に並行して採用されていたことです。
 ひとつは、二次大戦期からの仕様(ボディーが、コットンダック・レジン製)によるMIL-L-1910、もうひとつが、抗破片性能の向上した(ボディーが、ナイロン・レジン製)新型のMIL-L-41800です。新型は1963〜64年ころに登場しますが、その時点で先行していたコットンダック製のMIL-L-1910を廃止とせず、新型と同型のクレードル型サスペンションを装備して並行して生産されました。
 では、具体的に見ていきましょう。

MIL-L-1910
左 大戦型ライナー(〜1954)
右 55年型(1955〜1963)
右は、ヘッドバンドを外した状態(実は付け忘れて撮影(笑))
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MIL-L-1910
左 大戦型ライナー(〜1954)
右 55年型(1955〜1963)
正面から見たところ
大戦型のライナー正面に、徽章用アイレットがあることに留意
55年型ではアイレットは廃止された。
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MIL-L-1910の三形態
左 大戦型(〜1954)
中 55年型(1955〜1963)
右 64年型(1964〜1969)
64年型ライナーのボディーは、コットンダックレジンのまま、サスペンションが新型(クレードル型)となっていることに留意、また、革のチンストラップが省略されている。
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MIL-L-1910
左 55年型(1955〜1963)
右 64年型(1964〜1969)
両者を側面からみたとこと
革製チンストラップの有無、ネックバンドの形状などが変更となったため、サスペンションを留めるリベットの位置などが異なることに留意
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MIL-L-41800
左 64年型(1964〜1974)67年5月コントラクト
右 64年型(1964〜1974)68年7月コントラクト
左のものは、ヘッドバンドを外した状態(実は付け忘れて撮影(笑))
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MIL-L-41800
左 64年型(1964〜1974)68年7月
右 最終型(1972〜1984)84年
最終型の特徴は、それまでAワッシャーとリベットでライナー本体に固定されていたクレードル型サスペンションが取り外し式となった。
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最終型の取り外し式留め具
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左 64年型(1964〜1974)68年7月
右 最終型(1972〜1984)84年
両者を側面からみたとこと
サスペンションを留めるリベットの位置などが微妙に異なる。
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MIL-L-1910(64年型)とMIL-L-41800(64年型)の比較
左 MIL-L-1910
右 MIL-L-41800
ボディーの材質が異なるのみで、外観にほとんど差は無い。
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MIL-L-1910のコントラクト(69年3月)
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MIL-L-41800のコントラクト(67年5月)
新型だけどこっちのほうが古い
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by poemaquince | 2015-09-03 17:56 | M-1 | Comments(2)

ベトナム戦争期のM-1ヘルメット その1(入門編)

 第二次世界大戦から、朝鮮戦争、べトナム戦争にわたって、アメリカ軍の主要装備であったM-1ヘルメットについて、ネット検索すると、第二次大戦期については、オフィス万両さんのHP http://www.manryou.com/m1hel/index.html などで、詳細な解説などをみることができす。しかしながら、それ以降の朝鮮戦争およびベトナム戦争期のM-1ヘルメットに付いては、その他のネット上でもあまり言及が無いように思えます。また、断片的に書いてある情報もまちまちな内容でどれが妥当な内容なのか判断がつきません。そんな訳で暫定的にベトナム戦争期のM-1ヘルメットについてざっくりまとめてみたいと思います。(この分野についてはもっと詳細な情報をお持ちの方が沢山いらっしゃると思います。誤りなどありましたら是非ご教示ください。また、ネットオークションなどで、代用パーツなどを流用しているにもかかわらず高値を付けて出品されている場合などもあります。初心者の方が中途半端なM-1ヘルメットセットを高値でつかまされないようにご参考いただければ幸いです。)
 今回の「入門編」では、「べトナム戦時のM-1ヘルメット」をテーマとして、「その1」では、ライナーを中心に観ていきたいと考えます。

 さて、M-1ヘルメットの構造上の最大の特徴として、外殻帽(シェル)と内帽(ライナー)の二重構造になっている点が挙げられます。それぞれ外帽をシェル、内帽をライナーと呼称します。また、当稿では、ライナー(内帽)の内装部分について、ライナーを懸架保持する部分を「サスペンション」、皮革製の汗止め帯を「ヘッドバンド(スウェットバンド)」、後頭部の保持帯を「ネックバンド」、あごひもを「チンストラップ」などと表記しています。(様々な呼び方がされて紛らわしいので念のため言及しました。冒頭から煩わしくてすみません(笑))

重要な追記(2015/5/10)
 ライナー篇その1を始めては見たものの、早速混乱しています。
この記事は、主にJim Rogers氏の「STEEL POTS, the M-1 combat helmet, An American military icon」という記事を参照しながら記述してみたものです。
ところが、調べれば調べるほど混乱が深まります。
まず、ライナーのMILスペックですが二つの規格が同時代に併存しているようなのです。
MIL仕様書に直接当たれた訳ではないのですが、断片的情報を総合してみると
MIL-L-1910 LINER, SOLDIER'S STEEL HELMET
MIL-L-41800 LINER, GROUND TROOP'S HELMET
(それぞれにタイプ1と2があり、1は標準仕様、2が空挺仕様になります。)
 で、1910のほうが、コットンダック/ドリル製で、41800のほうがナイロン製(防弾 防片) に該当するようです。おまけに、上記の記事では、「64年」にライナーの大きなモデルチェンジがあった旨の記載であったのですが、USミリタリアフォーラムの投稿を参照すると、60年代初頭にも1910仕様のコントラクトが確認されています。
MIL-L-1910A (Spec number)
DSA-1-374-E-62 to Firestone (date of contract is 9MAR62)
DSA-1-2479-E-62 to Firestone (date of contract is 20APR62)
DSA-1-1284-E-63 to Marmac (date of contract is 31AUG62)

MIL-L-1910B
DSA-1-4741 to Pat-Ric (date of contract is 17JUL64)

このことによって、ライナーのフルモデルチェンジの時期については確定的なことがはっきりしなくなってしまいました。フルモデルチェンジは、64年より前(61年?)であったのか、あるいはM56などとも呼ばれているので56年には既に変更していたのか、はたまた64年のMIL-L-1910のアメンドメントAからBへの変更が、そのモデルチェンジに該当するのか?謎は深まるばかりです。
(以下、64年型という表記は直してありませんが、「64年型」かどうかは保留します。)


重要な追記その2(2015/5/24)
ネットであれこれ検索してもなかなか確定的なことが解らなかったので、アマゾンで、M-1ヘルメットのオーソリティー MARK A. REYNOSA氏の「POST WW2 M-1 HELMETS an illustrated study」をつい買ってしまいました。円が弱いので結構な値段です。(まーでも、ちょっとしたトコで一回飲んだと思えば一緒か)
・・・で、その結果なのですが、前述のジム・ロジャース氏の記事内容とほぼ一致です。おまけにカラー写真が豊富なので良く解る!
大戦後、MIL-L-1910シリーズが1951年からリプロダクトされて55年に小モディファイ、そして64年にサスペンションを一新(仮にクレードル型と呼びます)し、69年まで生産されています。
一方、MIL-L-41800(ナイロン素材)は、64年から、クレードル型の「新型サスペンション」が採用され、72年には、Aワッシャー固定から着脱式サスペンションが採用されました。
いや、専門書があるアイテムは謎が解けて本当に助かります。


 という訳で、写真にて見ていきましょう。今回はライナー編です。
 正面アイレット(ハトメ穴)が廃止された1955型M-1ライナー(左)と、皮革チンストラップが廃止されサスペンションデザインが一新された1964型M-1ライナー(右)
 55年型ライナー側面のチンストラップ用のおおきなリベット(カシメ)に注意、内側のチンストラップ用のピンを固定している。64年型には見当たらないことに留意
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 両ライナーの内側の比較
 55年型のデザインは、二次大戦中のデザインをほぼ踏襲している。
 64年型で、ハンモックおよびネックストラップが一新された。また、ライナーのチンストラップが廃止された。
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 両方とも64年型ライナー
(素材が違う?→追記:両者ともMIL-L-41800のナイロンラミネートでした!)
 左:MIL-L-41800C
 1968年以降、材質はナイロンラミネートに全面的に移行
 右:MIL-L-41800D 70年代初頭の製品(ナイロンラミネート製)
 材質は、60年代を通じコットンレジン製とナイロンラミネート製が平行して生産された。
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 クレードル型ライナー(写真はMIL-L-41800系)のネックバンド
 3点のストラップにて取付けられていることに留意
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クレードル型ライナーのバリエーション
左:通常型 
右:空挺タイプ V字型のチンストラップ用ストラップとシェル固定用スナップボタン(ソケット)に留意
 両者とも、ネックバンド(下)を外した状態
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MIL-L-41800系のバリエーション(側面)
左:通常型 
右:空挺タイプ シェル固定用スナップボタン(黒)に留意
 ライナーの素材が柔らかいため?ほとんどの塗装がはがれ落ちてしまっている。
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空挺タイプのネックバンドおよびスエットバンドを取り外したところ
ハンモックはA型ワッシャーで、ライナーに直接リベット止めされていることに留意
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同じく、ハンモックに印字されたコントラクト表示のクローズアップ
 LINER, SOLDIER'S STEEL HELMET (COMBAT) TYPEⅡ
タイプⅡは空挺仕様を表す。
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by poemaquince | 2015-05-06 23:22 | M-1 | Comments(0)