台北市「国軍歴史文物館」を訪問してみたけれど
出発前、ブッキングコムでたまたま予約したホテル周辺をグーグルマップで調べていたら、「国軍歴史文物館」という施設が近くにあることがわかりました。名前からいって、いわゆる「軍事博物館」なのでしょう。旅行は家人とかも一緒なので、訪問を相談しても即時却下なのは明白です。なので公然とは旅程には組み込めません。しかしながら、空き時間に一人で訪問できそうな距離です。隙間時間にでも単独で訪問してみようと心に決めました。
そして、そのチャンスは旅行2日目の午前中にやってきました。
朝9時すぎ、ホテルの部屋でまだ、みんなベッドでまたーりとしています。
一人そそくさと着替え「ちょっと、近所の軍事博物館を見てくる。1時間くらいで戻るから」
そう言いのこして、太陽がじりじり照りつける灼熱の通りへひとり繰り出します。
ホテルを出てすぐ大きな交差点の「愛國西路」を横断し、「中華路」を北上します。幅広い歩道には槐樹(えんじゅ)の街路樹も植わっています。この辺は政府施設も集中している官庁街ということなのでしょう。
ものの3分も歩くと見えてきました。小ぶりではあるけれど近代的な建物です。入り口には、孫中山(孫文)の黄埔軍官学校訓詞の揮毫・石刻がはめ込まれています。
三民主義,吾黨所宗;
以建民國,以進大同。
咨爾多士,為民前鋒;
夙夜匪懈,主義是從。
矢勤矢勇,必信必忠;
一心一德,貫徹始終。
三民主義(民族,民権,民生)は、わが党の基軸
以て共和国を建設し、以て大同に進む
全ての同志諸君 人民のための前衛たれ
朝も夕も絶え間なく 三民主義に従う
勤勉に勇敢に 信頼と忠誠を重んじ
団結して 終始貫徹せよ
(勝手に意訳)
※帰国して調べたらこの訓示は、中華民国国歌の歌詞でもあることが分かりました。
ところが、勇んで国軍歴史文物館に入館しようとしたところ、入れません。
「アレ?」平日は9時からのはずです。
どひゃー!ドアにはこのような貼り紙が!!!
>お知らせ
>定期メンテナンスのため博物館は閉まっています。
>開館予定は別途お知らせする予定です。
>ご不便をおかけします。ご了承ください。
ってゆーか、定期メンテナンスと言ってる割に、開館時期未定とか、おかしい。コレきっと展示内容がアレすぎて新政権から見直し指示が出されたんじゃないかな?それで閉鎖しているとか(勝手な推測だけど)
とほほ 「国軍歴史文物館」を楽しみにしていたのでがっかりです。
仕方がないので、総統府(旧台湾総督府)の前(裏)を通って帰りました。
1910年代にこんなものを海外領土につくっている日帝(日本帝国主義ね)のパワーに驚きです。
当時の現地の人々の目には、それはそれは威圧的に(あるいは圧倒的モダンさとか先進的にとか?)映ったのかなあなどとうつらうつら考えたりしました。
ほんとは正面からも観たかったのだけれど、いやもう暑くて、好奇心が暑さに負けてしまいました。
この項つづく