M-51Parkaに関する2,3の事柄

サイゴン1955 あるいはタイガーストライプの始まり?

 たまたま、サイゴンの古い写真をなにげに見ていたら「あれれ、このひとたち、タイガーストライプ着てんじゃね?」と目にとまりました。ところが写真のキャプションは「サイゴンの戦い1955」です。タイガーストライプの始まりは、「一番槍ブログ」のタイガ氏が1960年頃と考察、特定されています(http://ichiban.militaryblog.jp/e502218.html)。そこから5年も遡るとは「こりゃ大発見かも!」とびっくりして一瞬喜んだわけですが、落ち着いてよくよく考えてみると、これはフランス軍の使用した「インドチナ・リザード」スモックではないかと考えるのが正解でしょう。キャプションにも「空挺部隊が」とかいてありますし。
 50年代からフランス軍のリザードパターンはすでにいくつかのバリエーションがあり、フランス本国では古くからリザードのエンスージアストによってパターンがきちんと分類されている様子です(良く判らないけど(笑))。
 ちなみにジョンソン氏の「タイガーパターンズ」を確認すると、VNX(ベトナミーズエクスペリメンタル)パターンは、57年8月と58年12月のスタンプが現存し、最初の制式海兵隊パターンは、59年8月に導入されたと記載されていました。このこともタイガ氏の考察とほぼ一致します。

(注)59年8月と60年では一致しないのではというツッコミもありそうですが、そもそもジョンソン氏も、さらっと"officially adopted"としか書いてありません(もしかしたら別の場所で詳述してるかもしれませんが(笑))。この手の「アイテム」がいつ「導入」されたかという問題は「何をもって導入」とみなすかで、いくらでも動くものと考えます。仕様が確定された段階か、調達の意思決定をした段階なのか、(被服の)コントラクトした段階なのか、あるいは納品され部隊に配備された段階なのかetc. そのようなことから、数ヶ月の時間差は、当時の当事者である「TQLC師団P3チーフ(作戦参謀長)チャン・バン・ヒェン元中佐」の証言と全く矛盾しないばかりか、その情報を補強するものと考えます。またこの記事を発掘し、和文で紹介したタイガ氏の功績は高く評価されるべきと川村は感じております。


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 銃撃戦の中、ビン・シュエン派の部隊が強固に立て籠るペトュス キ(読み方判りません)高校?へ進出する空挺部隊
出典:http://rvnhs.blogspot.jp/2015/05/the-battle-of-saigon-sixty-years-ago.html
 追記:インドチナリザードを着ているのは、フランス軍ではなく、ゴ・ジン・ジェム大統領派(ていうか国軍)です。誤解なきよう。
 追記の追記:見逃していたのですが、上記写真のリザードパターンは、タイガ氏の所有されているTAP47/53降下服に非常に似ていることに気づきました。http://ichiban.militaryblog.jp/e591404.html
おまけに、おなじページにビンシュエン派との戦闘の写真もありました。大変失礼いたしました。
下↓の写真のものより似ている気がします(笑)。確証はないけど。

 で、今回、サイゴン1955の写真に近いと思われるパターンはコレかな?
 おなじみ「エ」の字の原型や、「ひよこ」「とびけら」がいるのが判ります。ほかにもおなじみの図形が!
cパターンと呼ばれている様子です。
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 出典:IACMC http://iacmc.forumotion.com/t4678-tta47-toutes-armes-or-modele-general-modele-allege
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by poemaquince | 2016-09-18 00:27 | tiger stripe | Comments(2)
Commented by タイガ at 2016-09-21 01:03 x
こんにちは、タイガです。
私はタイガーストライプそのものを真面目に研究した事はないので、引き合いに出して頂き恐縮です。僕の見つけた証言では『海兵隊は1960年にタイガーストライプ迷彩を採用した』と書いてあっただけで、それ以前の経緯については私自身全く無知だったりします。
ただ最近、フランス軍・南ベトナム軍コレクターの大先輩にコレクションを見せて頂いた際、TAP47(リザード)迷彩にもかなりのバリエーションがある事を教えて頂きました。
タイガーストライプ誕生以前にインドシナに存在していたリザードは主にTAP47/52およびTAP47/53と呼ばれる降下服(および迷彩柄)で、1955年のベトナム空挺が着ている服もTAP47/52だと思われます。
しかしそのTAP47/52迷彩自体も色相にバラつきが多く、茶色の部分がかなり暗く、パッと見、黒と緑のタイガーストライプにしか見えないTAP47/52迷彩というのも実際に見せてもらいました。(写真のTAP47/52降下服パンツ)
http://img01.militaryblog.jp/usr/i/c/h/ichiban/DSC_1977.jpg
また生地はTAP47/52迷彩で、服の形がTTA47/52チュニック(4ポケではなく2ポケ肩当付きの方)という服もインドシナ戦争中にフランス・ベトナム空挺部隊で支給されていたそうです。(写真右から2番目)
http://img01.militaryblog.jp/usr/i/c/h/ichiban/DSC_1976.jpg
VNXと呼ばれる試作タイガーもまさしくこのTTA47/52チュニックの裁断で作られてる事からも、VNX/海兵隊2ポケット戦闘服は、こういった黒・緑系TAP47/52迷彩チュニックがベースになった可能性は大いにあると考えています。
Commented by poemaquince at 2016-09-23 01:00
タイガさま
コメントありがとうございます。勝手にブログを参照させていただきました。すみませんです。
いや、私も「M-51parka」が専業のはずなので(笑)、ベトナム関連やタイガーストライプに関しても、間抜けな事を書いてしまったりしています。
今回は、巷間によく言われる「タイガーストライプは、フランスリザードのコピー」という説に関して、「リザードっていわれてもそんなに似てなくね?」という素朴な疑問も出発点のひとつでした(古いインドチナリザードパターンをそんなに見たことがなかったので)。いやしかし、今回教えていただいたこの参照先のコレクションすごいですね!たしかにこれならTSは「リザードのコピー」で納得ですよね。今後ともご教示よろしくお願いいたします。