べトナム戦争期のM-1ヘルメット その4(ヘルメットカバーの巻)
ところで、この「ミッチェル柄(MITCHELL PATTERN)」という呼称について、その語源をどなたかご存じないでしょうか? というのも"ERDL"については、一次資料でその呼称が確認できるのですが、当該柄については浅学ゆえ確認できておりません。また、先に言及させていただいたMark A. Reynosa氏の"Post-ww2 M-1 HELMETS an illustrated study"(1998)においては、当該の迷彩に対してミッチェルパターンという呼称を使用せず、リーフパターンと呼んでいます。また、Kevin Lyles氏の ”VIETNAM :US UNIFORMS in colour photographs”(1992) においても、当該柄ヘルメットカバーについては「リーフパターン」と呼んでいます(ところが、別ページのハーフシェルターテントは”ミッチェル”パターンと紹介しているのですが) 。いやはや、あの柄がなぜ「ミッチェル」なのかご存知のかたいらっしゃいましたら是非ご教示いただけたらと思っています。
では、写真を見ていきましょう。
(ベトナム戦争期の写真は、「USミリタリアフォーラム」「ヴェアマハトアワーズコム・フォーラム」などへの投稿写真を引用させていただいています。)
極初期のミッチェルパターン(1959年)
シェルのチンストラップ用に、カバー中腹に穿孔してあることに留意
コントラクトラベルのクローズアップ
生地はコットンダック
サテン織りのミッチェルパターン(1965年)
以前、DMZさんのページでhttp://armyshade.exblog.jp/19888281 サテン(朱子織)であることが指摘されております。その見解に賛成です。
コントラクトスタンプのクローズアップ
サテン生地の織りに留意
ポピュラーな後期型カバー(1969年)
後期には真ん中の切れ込みが深くなり、カバーに穿孔しなくともチンストラップが干渉しなくなっていることに留意
コントラクトスタンプのクローズアップ
コットンダック生地 DSA69
上のミッチェルカバーとほぼ同時期の「ERDL」迷彩(1969年)
色調はトーンを抑えたナティックラボ系
コントラクトスタンプのクローズアップ
コットンダック生地 DSA69
レイトウォーでのERDLカバー
写真のキャプションでは1971年(あまりにかっこいい共和国パッチで、まさか後世のコスプレ写真ではないでしょうねぇ)
USMC「ダックハンター」カバー(たぶん50年代)
この個体にはコントラクトの記載が見当たらない。
ところで、ヘルメットカバーって80年代のコレに似てなくね?
画像のダックハンター・カバーは、WW2時代のものです。1953年に再生産されていますが、これにはメーカースタンプが押されており、WW2時代のものとは、足の部分のほつれ防止のステッチが異なります。このカバー、「The Pacific」の影響なのか、海外では高騰し、画像のいわゆる1stタイプで$300、スリットのある2ndに至っては、ほぼ消耗しつくされているようで、たまに見る程度の良い物は$600以上で取引されています。
なるほど、興味深いご指摘ありがとうございます。ミッチェルたしかに植物名前由来で整合しますね!!
また、ダックハンターカバーについてのご教示ありがとうございました。いろいろ勉強になります!!また、お気づきの点がありましたらぜひご教授お願いいたします。