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M-51Parkaに関する2,3の事柄

というわけで、ナチスの手口を学んでみました。

 前々回のブログで、2013年の麻生発言の主旨は、ナチ台頭の教訓から学べということであった件について記述しました。
 なので、アソウ先生のご助言にしたがいそもそもナチ党がどのような形でワイマール共和制のなかで権力を奪取したのか?を学んでみることにしました。参照したのは、講談社現代新書「ヒトラーとナチ・ドイツ」(石田勇治2015)です。「なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生したのか?」という帯の文句に違わず非常に解りやすくかつコンパクトにナチ台頭のメカニズムを解説してくれる良書です。
 さわりの部分がネットでも参照 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44760 できますが、興味の有る方はぜひご通読ください。
 ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)
というわけで、ナチスの手口を学んでみました。_a0164296_2105710.jpg


 本書の指摘によれば、(かなりざっくりですが)
○ヒンデンブルグ大統領は、保守政権の確立のため、「国家人民党」と「ナチ党」の連立政権をつくり、ヒトラーへ譲歩しヒトラーを首相に任命した。
○ヒトラーはヒンデンブルグ大統領のナチへの融和的態度を突いてワイマール憲法の規定による「大統領緊急令」により「合法性」を担保しつつ、ナチにとって都合の悪い法の換骨奪胎・議会の無力化を謀った。
○ナチは政権の「正統性」「合法性」をよそおう一方、街頭では社民党、共産党など反対派に暴力的圧力をかけ続けた。
○市民社会はそれに対し黙認、消極的加担をした。社会の中に、大ドイツ至上主義、反ユダヤ主義、排外主義を容認する風潮が拡大した。
○軍は「再軍備」という勢力拡大と、またボルシェヴィズムへの対抗からナチ党を容認していた。また、ヒトラーによるナチ突撃隊(SA)の粛正によりナチに対する軍の信頼は深まった。

 ナチ台頭前夜のドイツと現在の日本社会は全くちがうのですが、それでもなおいくつかの点で共通する要素に不安を感じています。
 特に、ここ数年で日本社会の中にみられる「日本スゲー的な言説、反中・反韓の風潮、排外主義の噴出」は、「大ドイツ至上主義、反ユダヤ主義、排外主義を容認する風潮」などと、まさにパラレルな関係に思えてならないのです。
 ナチのステレオタイプ煽動「ユダヤ人の特権」は、アレ用語の「在日特権」とパラレルだし、メディア批判として用いられた「Lügenpresse」(嘘つきメディア)は、アレ用語「マスゴミ」にそっくりです。
 右派と軍が、極右を容認することの危険性が歴史の教訓であった訳ではあります。そして実際「日本会議」というアレが静かに浸透する日本社会が現実となりつつあったりします。どひゃー
by poemaquince | 2015-08-30 02:14 | アレという国難 | Comments(0)