デッドコピーのM-1ヘルメット???
多分、60年代〜80年代あたりにどこかの国でデッドコピーされたものではないかと思われるのだけど、良くわかりません。
来歴を聞いてみると(米軍?)廃艦艇備品の中に紛れていたもののようです。
シェルはマットのオリーブドラブですが、マチエールにつぶつぶはありません。
材質は、磁石が付かないため、米軍と同様のマンガン鋼と思われます。
また、シェル内側にはM208Aと読める刻印もあります!!
ベトナム戦争当時に日本で作っていた軍需物資とも思えるのですが、ライナー本体は総樹脂(プラ)で、大阪CHARLIEさんの取り扱われている50年代(布積層樹脂?)日本製ライナーとは、だいぶ様子が異なります。(ただし、チンストラップ取付け用のスタッドは似ているように思えます。)
また、件のライナー正面には徽章用のホールも開けられています。
シェルのチンストラップはスィベルベイルに直接縫付けで、ボールタイプのリリースフックなのですが、明らかに米軍のものと材質が異なります。
ライナーのチンストラップは、皮革製だったのですが、経年によりだいぶ硬化していて今回の撮影時にちぎれてしまいました(がっくり)。
どなたか、「ああコレね。○○の○○だよ。」とご教示いただけませんでしょうか。
件のM-1ヘルメット
シェル(左)とプラ製ライナー(右)
シェルを米軍のものと比較します。
左 米軍実物 シェル表面のつぶつぶに留意
右 件のシェル 表面仕上げは表、内とも完全なマット仕上げだけど、米軍のようなつぶつぶの吹き付けは為されていません。
シェル内側にはかろうじて読める刻印が・・・
「M208A」? 「1208A」?
ライナーを並べてみます。
左 米軍実物 件のライナーには徽章用ホールが開けられている。
比較全景
上段 米軍実物
下段 件のヘルメット
ライナーにスエットバンド、チンストラップを付けてみました、
チンストラップ縫付け
上段 米軍実物
ネックストラップ部のクローズアップ
シェルのリアシームの状況
シェルチンストラップ
下段 米軍実物
ボールリリースフックの材質が明らかに異なる。
(参考)bgibeerさんの50年代日本製ライナー
(ネットオークション写真を引用させていただきました。)
追記:
チンストラップをフックするスタッドは、米軍の標準のもの(写真左)よりひと廻り大きいのですが、上記の日本製ライナーと共通しているようにも見えます。
なお、件のプラライナーにはいかなる刻印も見当たりません。また、ライナー内側表面は円滑な仕上げですが、外側表面にはざらざら感のあるモールドがなされています。
ライナーはよくわかりませんが、シェルの1208Aの刻印は、マッコード社製の1945年4月あたりの製造を意味します。字体から判断してもマッコード社オリジナルに間違いないと思います。チン・ストラップのバックルは、1944年9月に採用されたT1バックルの最初期型だと思いますが、WW2時代のシェルについたT1バックルは非常に珍しいと思います。 初めて見ました。ペイントは、リペイントにも見えないし、支給部隊によってはこのような仕様もあったのかも・・・
情報のご提供ありがとうございます。
ご指摘の通り、マッコードのオリジナルだったら、ほんと、とってもうれしい!のですが、うーん、確信が持てません。チンストラップのウェビングテープの質感とかが微妙に荒いのですよね。あと、マチエールの加工が無いのが気になります。うーん。
http://nuke.combat-helmets.com/WorldWarII/USA/DatingM1/tabid/287/Default.aspx
確かに、表面にザラザラのないシェルは見たことがありませんけどね・・・
お返事ありがとうございます。
参照先の記事、とても興味深いです。ブリムに表示される生産ロットナンバーが00から1300までのマッコードラジエータのものならば、大戦モデルであると明確に書いてありますね。しかしながら、当該品は、ブリム裏でなくもう少し上のシェル本体側面と言って良いくらいの位置に打刻されております。このことからも大戦プロダクトというには少し苦しいのかなと思ってます。
http://www.warrelics.eu/forum/us-m1-steel-helmet-forum/fixed-bale-front-seam-what-have-i-got-512634/
刻印の位置は、大体前面裏の縁に近い部分ですが、まれに側面に刻印されているものもあるので、厳密ではないようです。
ちなみに、WW2時代のみ全生産品の1割を生産したシュルター社の物は、同じ位置にナンバーの下にSが刻印されているので、これはわかりやすいです。
マッコード社は、1951年からM1シェルを再生産していますが、これには、数列の前にMが付けられています。但し、Mの後には1文字分スペースが設けられているので、今回のシェルの最初の文字はMではないと思います。
ちなみに、WW2時代のマッコード社のシェルは、ロットナンバーが外側に打たれたものもあるそうです。ヒートスタンプと呼ばれるこの浅い刻印は、コルク入りの厚いペイントを吹き付けると判読できなくなる可能性が大きいと思います。
20年位前、米艦船から見つかったというWW2時代のデッドのM1ヘルメットが国内で販売されたことがあり、私も、当時、4万円で買いました。シェルはリアシームでカーキストラップの1944年末から1945年初めにかけて生産された個体だと思いますが、シェルの裏には刻印がなく、コピー品かと疑ったものです。多分、これが外側に刻印された個体なのでしょうが、確認はできず。
最後のアルファベットが12文字だけ確認できれば、恐らく、製造月を表すと思いますが、現状では情報が無いので、意味するところはわかりません。
なるほど、そう言う意味だったんですね。ご丁寧にありがとうございます。さっぱりわからなかった刻印について大変勉強になりました。ありがとうございました。
情報提供、ありがとうございます。
以前ユーロ系のM1ではないかと思い調べてみましたが、造りが結構しっかりしてたりで「違うかな?」と考えていました。今回のご指摘で改めて見てみると、今ヤフオクにでているオーストリアM1ヘルメットのものは、結構似ていますね。
ただ、チンストの仕様が異なってましたが。
お手元のユーロ系は、ライナーのチンストは皮革仕様でしょうか?