映画「高地戦」観てきました! (番外編)
朝鮮戦争をテーマにした韓国の映画です。「シネマート新宿」で観てきました。
映画は1953年のソウル市街のシーンから始まります。が、すぐにカメラはDMZ停戦協定の交渉の場面に移ります。主人公のカン中尉はそこから左遷され?国軍軍事郵便の謎を防諜隊将校から調査するよう命じられ東部戦線へ送られるところからお話が始まります。
いやあ久々に納得のいく、きちんとした戦争映画です。こういう映画を観ていると、つい衣裳とかに目が行ってしまいますが、いやほんとかなりしっかりした考証で安心して見ていられました。というか、映画は大きなスクリーンにアップで映るので、M-51ジャケットのファスナの務歯(ムシ)のかたちまでみえちゃって、「あ、これクラウンじゃん」なんて思ったり、あれL型フラッシュライトが!など気が散って落ち着きません。ほんと衣裳に関してはオリジナル度高いです。で、1953年の冬なのでもちろんM-51PARKA(フード付きも!)も出てきますし、人民軍のT-34も(76だけど)それらしくできてたし(え?本物かな?→追記:T-44!かも(may2016))。浦項(ポハン)戦闘を描いた「戦火の中へ」では、草むらの人民軍が「現用戦車」そのものでがっくりしたために、今回なおさら好ましく感じたのかもしれません。
ただ、たしかに兵はM-43/50を着て将校はM-51JKTと差をつけたりはしていますが、考証的には全体に装備の質が良すぎる気もします。53年当時の国軍に、当時最新型だったはずのM-51JKTを、はたして米軍は供与したのかな?などと素朴に思ったりします。
また韓国などの戦争映画で多用されがちな、戦闘シーンの「コマ落としザラザラ加工」といった過剰な演出もなく、特に高地をめぐる白兵戦の俯瞰は、ペキンパーの「戦争のはらわた」を彷彿とさせるのでした。(あと、キャンプの少女にチョコをあげようとするシーンも、「戦争のはらわた」の後方病院のシーンを彷彿とさせたりします)
お話のテーマとしては、「トンマッコルへようこそ」のリアルバージョンといったところでしょうか。
個人的には人民軍の狙撃兵(キム・オクビン)に思い入れがありました。(←追記:味方の兵が少しずつ撃たれてくあのシチュエーションって、「フルメタルジャケット」の解放戦線女性狙撃兵のシーンだよね)
チャ・テギョン狙撃兵! かっこいー
M-51/65 Parka/Jacket以外の内容も良いですねぇ。
そうなんです。衣裳のことばかり書いてしまいましたが、スーパーマンも英雄も出てこない良い映画です。
「ブラザーフッド」にも休戦前の激戦のシーンがありましたねぇ。
やはり、服装・装備に目がいきます。50年なのに、M-51らしきモノが・・・。
戦争映画を観た後はたいてい「ああ、その時代、その場所に生まれなくて本当に良かった」とつくづく思ったりします。
世界一「豊かな」超大国アメリカでは、貧困層の若い人たちが、生活のためリクルートされて軍に入り、海外に派兵されて戦死したりしています。
ブラック企業の跋扈する日本社会ではありますが、この社会がそこまで落ちぶれないか心底心配です。
「高地戦」先日キネカ大森で見ることが出来ました。
内容もさることながら役者も素晴らしいですね。特に無表情な若い大尉と北の老練な隊長が印象的でした。
個人的には中国人民義勇軍のチャルメラの不気味な音色と照明弾で浮かび上がる兵士の群れが非常に恐ろしく描けていて感心しました。
軍装のディテールには目が行きますね。春夏期のM-43ユーティリティーなどもなかなか良いくたびれ具合でした。
最近見た映画では「アルゴ」の軍装も非常に凝っていまして、イラン大使館の米海兵隊員はレアなLC-1リーフを。
イラン革命防衛隊兵士に至ってはM-65FJの2nd(ディテールから恐らく実物)を着ていました。
コメントありがとうございます。
キネカ大森!懐かしい響きです。以前近所に住んでいたのでたまにお世話になりました。セゾングループの衰退でとっくに消滅してしまったものと思っていました。いや良かったです。「アルゴ」面白そうですよね。ホメイニ時代のお話、LC-1リーフに革命防衛隊はM-65の2ndですか! 衣装さん凝りましたね(笑)。見に行こうかな。
コメントありがとうございます。TVはあまり観ないので「外科医鳩村」は知らなかったのですが、ドラマスチールなどググって見ると確かに着てますね!「刑事」とパーカもどうかと思ったのですが、「外科医」まで!でもまあ似合ってるということで・・・プロデューサーの意図や如何に?